なるほどね・5



 いやぁ、参った参った。
 なぁ静流、聞いてくれる?ていうか聞いてお願い。
 あぁ、もう雑誌読んでてもいいからさぁ、とにかく誰かに聞いて欲しいのよ、俺は!
 なんかね、もー、スゲー夢見ちまったの。


 そう、本だよ、本。
 俺いきなり本屋に居たんだよ。
 あ?あり得ない?っさいな、夢の話だよ、夢の!!
 でさぁ、そこの本屋がまだどでかくて、この前言った、なんてーの?”デパート”とか”ショッピングモール”とか言うの?
 それくらいあってさ、中にある店、全部本屋な訳!
 本、つってもな、CDもあったし文房具もあったな。
 いや、これはどうでもいいや。
 とにかく、俺はそこでブラブラ真ん中の広い通路歩いていて、そしたらぼっちゃんと天馬が居たんだよ。
 此処で俺の視界ちょっと変わってさ、2人の事、上ていうか、正面のやや上、ていうか、まぁ、2人の顔が頭目だって見えた訳だ。
 そしたらよー、天馬がよー、めっちゃくちゃ顔赤くてさ、どうしたオイーとか言いたくなるくらい赤くてさ!
 言えばよかったじゃない……て、何でか出来ないんだよ。俺の夢なんだけど。
 さっきさ、歩いてる、て言ったけど、どうやら”其処”に俺は居ないみたいなんだ。テレビで見てる感じ。
 だって2人とも、全然俺見えてないみたいだったし。
 まぁ、いいや。話戻して。
 で、天馬が凄い顔が赤いんだよ。で、ぼっちゃんの3歩くらい後ろを、てろてろ歩いててよー。
 そして、ぽつり、て感じで言ったんだよ、「家、来る?」て。
 もう帝月家に居るじゃない、て、オマエ何度も言わせるなよ。俺の夢の話だって!
 んで、天馬は言った訳で、しかもその言い方、まるで勇気を振り絞りました、て感じで、ちょっと目も潤んでたり戸惑いがちだったりすんのよ!!
 だけど!!
 ぼっちゃんはちら、て後ろ見ただけで、またスタスタ歩いちまうんだなー。
 そしたらよ、天馬、何て言ったと思う?
 ……いや、確かにお前に解る筈無いけど、ンなに冷たい目をしなくても……
 はいはい、続きね。
 天馬な、そしたらなんと「家、泊まる?」て言ったんだよ。
 さっき断れた時より、お願いグレードアップしてんじゃーん、とか相手に多分聴こえないんだろうけど、俺はツッコんだんだけど、そうしたらぼっちゃんがな。
 なんと!
 今度は天馬の手を取ってスタスタ歩き始めた訳だ!!
 天馬、もう顔真っ赤!!
 そんな2人見て、俺は「”来る”がダメで、”泊まる”はいいのかぼっちゃーん!」とか思ってたんだな。
 で、場面転換。
 時刻は多分夕方始めくらい。だって窓の外明るかったもんな。
 何?細かい?うっさいっての!
 そんな時間なんだけど、天馬、どうしてかもう寝てるんだよなー。
 それも、2段ベットの1段目で。
 2段ベットこの家無い?何せ夢なもので。
 そうして、天馬が寝てる所にぼっちゃんが来て、天馬は多分ミッチーは上、みたいな事言ったんだな。
 でもぼっちゃんてば、そうるすのが当たり前〜みたいに、天馬の隣に潜り込んだんだよ!
 潜り込んだ、てか、添い寝だな、添い寝。
 もち、天馬顔また真っ赤。
 心臓バクバクいってるのが俺に移っちゃうくらいそうなってるのが解るんだよ。
 真っ赤になりすぎて、上で寝ろ、て言えないくらい真っ赤。
 2段ベットってよー、見れば解ると思うけど、柵みたいなので囲ってあっから、ちょっと狭いじゃん。
 密着。もう。
 天馬いよいよ息してないんじゃ、てくらいに真っ赤になって、きゅーてなって、布団に潜るんだけど、ぼっちゃんがそれを許さん訳だよ。
 こっから!こっからがスンゲーの!!
 でさー、真っ赤になってる天馬によー、ぼっちゃん、唐突に接吻なんかしたんだぜ!?
 そう!したんだ!!
 ”雨を降らすみたいに”て表現がピッタリに!!
 最初唇で、次に頬で鼻の頭で首筋で。
 その間の天馬はな、目ぇ瞑って気ぃ失ってるんじゃないか、て思うくらいにくったりしててよー。
 今時生娘だってこんな反応しないぜ、てくらい初心でさー。
 あーもう、何で俺の夢なのに俺動けなかったんかなー。俺がその場にいたら、さっさと襲ってるね。
 そいで、その力抜けたの幸いに、て、ぼっちゃん肩抱いて、もっと接近して。
 服、脱がして。
 マジ!マジでマジでマジで!!
 そこで天馬、はって目を開けるんだけど、目の前ぼっちゃんのどアップじゃん。
 そー、やっぱり真っ赤。
 で、そんな天馬の手をとって、ぼっちゃんは自分の肩に掛けた訳だよ。紳士だよなー。ていうか気障だよなー。
 天馬、それだけが全て!て感じでぎゅーって握るのよ。
 可愛いのなんのって!!
 どれくらい、て、もうメチャクチャに鳴かせたいくらいに決まってんだろー!?
 そして天馬があられもない、て感じまで服が脱がされて、ぼっちゃんの頭が首の付け根くらいまで下がって。
 そこで終了〜。
 勿体無いんだかなんなんだか。
 な?スゲー夢だったろ?
 何、静流。後ろ?
 なんかどっかのコントみたい……
 …………
 何だ、凶門帰ってたのかよ。
 飛天の旦那も、酒はあったんですかい?
 ぼっちゃん、今日も麗しいっすねー。
 いや、うん。
 俺はおそらく、キミ達が何を言いたいか、凄くよく解ってる。
 それは勿論、聞くつもりだから、最後に俺に一言言わせてくれ。



 夢の話に腹を立てるなんて、大人気ないと思わないか?






「ただいまー!凶門、ほら行くぜ、練習!!」
「ランドセルくらい、ちゃんと置き場に置いたらどうだ」
「へ〜い。
 ……んでさ、火生なんで倒れてんだ?何か下に赤い染み出来てるし……」
「気ぃすんな。トマトジュース運んですっころんで頭打っただけだ」
「ふーん。火生トロいなぁ。
 ミッチー、行ってきま……あれ?顔赤い?」
「………錯覚だ」
「んん、まぁ、いいや。じゃ、行ってきまーす!!」
「行ってらっしゃーいvvv」
 バタン。
 ………なぁ、天馬………
 ……トマトジュースって、こんなに鉄錆び臭いものだったか…………?
 ……ていうか、またこんなオチかよ………
 ガクッ(気絶)。



 今日のおさらい。
 大人気ある人は、居ませんでした。



おわり。





て言う夢みたの!ワタシが!!!

いや、本当こんな内容でね。
ミッチーがさも当然、ててっちんに迫ってるのがありえねー!と思いつつ凄いいい夢でしたよ!フハッ!(興奮)

……夢は深層意識の現れや、無意識の願望だって言うけど。
………………。
うん。願望。
100%間違いない。

てっちんが凄くミッチーにドキドキしてさー。それが移っちゃってさー。
その日ワタシもずっとミッチーにドキドキでした(笑)

いつか、こんな話を書きたいと思いマス。