My Onlry The Mirror




 本当の、

 自分を映す

 鏡なんて、

 何処にも

 ないのだけれど。


でも





 ”あなたと居るのは、本当は少し怖い。”
 などと口にしてみれば、目の前に広がる怪訝な表情。
「……だったら居なければいいだろう」
 少し間が空いたが、それでも変わらない尊大な態度。
 実はちょっと傷つけた顔が見たかったとか、でもそんな事を言えば今度こそ呆れさせてしまうだろう。
 それはあまり歓迎できない事だったりする。
 傷つけようとしたくせに、笑ったり喜んでる表情の方がいいだなんて。
 何て滑稽だろう。我が儘だろう。
 そんな自分は今まで知らなかった(存在はしていたかもしれないが)。
 そう、今までは知らなかったけれど。
「……貴方、と居ると。知る事が出来るんです」
「何が」
「自分が」
 誰かが言った。人間、所詮は自分の心しか解らない。
 しかし、それでも、その自分の心すら、あるいは自分というそのものが、全部把握出来ない。
 知りえないのなら、作ればいい。
 作った。
 修行に打ち込み、強さだけを追い求める……そんな自分。 
 それに相応しい行動、思考を選ぶ。
 自覚はしてないだけで、世の中の人は大概そうでないのではないだろうか。
 そうして定着してきた自分を……この人が、打破した。
「ねぇ、爆殿……自分の力量を測るのは大切ですが、”自分”を知るのはいい事なんでしょうか……?」
 ぎゅう、と腕の中に居る彼をさらに自分の身体に密着させた。
 でもそうすると、顔は見えなくて。
「……カイは、自分が嫌いか?」
「そうでない部分もあります」
 貴方の前に立つと、何故だか、


 自分の力を反射され、石になってしまった怪物を思い出す。


 肩の向こうで、爆殿が溜息を吐く。
「……オレだって、貴様と居るのは少し怖い。
 貴様と居ると、甘えたくなる、頼りたくなる、寄りかかりたくなる。
 今まで、自分がこんなヤツとは知らなかった」
 こうまで引っ付いていると、口唇の振動すら身体に響きそうだ。
「……だから、いいんじゃないか?」
 一緒に居ても。別に。
「………………」
 少し、身体を離す。
 ようやく見えた顔なのに、口付けを交わした為、また見えなくなった。

 真実を映す鏡なんて、無いほうがいいに決まってる
 それでもその役割が貴方なら
 私は………



 爆殿。きっと、私達は石になるのは一緒でしょうね
 ………?何だ、それは
 さぁ………

 それを知らしめるのが貴方なら、私はどんな自分でも受け入れましょう
 この心、在る限り




短ぇ。……すみません(ヘコリ)
しかも雰囲気がむやみにアダルティックに!!……絶対2人ベットの中で裸だよ……(遠い目)
初めてじゃないか!!こんなん贈るの!(しかも月瀬様にー!!)
コンセプトは”鏡”。 
鏡、鏡……自分で見えないモノを映すモノ。そんな感じで書いてみました。
困った事に、一番いい格好したい相手に曝け出るのはとてもみっともない自分なのよね。
なぁ、カイ(肩にぽん)。
ではこんなんになりましたが、どうぞ〜〜