目の前の主が嬉々として口に運んでいるから、それは食べ物だろうとは解る。 しかし、その形は日吉が今までに見たことが無いもので。 「それ……何ですか?」 強いて言うのなら、そう。 それは星のような形だった。 「これか?これは金平糖だ」 「こんぺーとー……??」 初めて聞く単語に日吉はただ首を傾げるばかり。 その様子を楽しそうに見ていた信長は、やおら日吉の鼻を摘んだ。 「なッ…………ッんぐぅ!!?」 そうされると呼吸する為にも必然に口を開けてしまうから。 その口に何かが放り込まれる。 目を白黒させて、ゆっくり下で転がしてみると、 「あ。甘い」 「だろ?」 に、と笑う。 どうやら口に入れられたものは信長が食べていたものらしい。 「何でも、核になるヤツに砂糖水塗しながら鉄板で転がすとこんな形になるんだとよ。 面白れぇよな」 「……信長様は、金平糖お好きなんですか?」 「ん、まぁな。結構気に入ってる」 と、また一口。 そうかぁ……
「じゃ、俺金平糖職人になろうかな」
「……………」 と、いう日吉の台詞に信長はきょとんとした。 で。 「そうだな。多分売れるぜ、これは」 「……………☆」 (………そうじゃ……なくて………) 次いで、あ、これ俺が教えたんだから情報料で分け前寄越せよ、などと言われてしまった日吉であった。
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