日々是良日



小説には足りないちょっとしたやりとりだけとか、場面だけとか
唐突にパラレルとかちみナルとかナルコだったりするけど気にしない。
多分カカナルオンリー……だと思う。




「センセー、手ぇ冷た過ぎだってば!」
 ほんの僅かな皮膚に触れて、ナルトはそう言う。
「そーぉ?」
「あ、でも手が冷たい人ってば、心は温かいんだって」
 よく聞く話だよね。
 少なくとも、それを言い出した人本人か。
 さもなくばその大切な人の手が冷たかったんだと、俺は思うね。
「ナルトの手は、温かいよね」
 ナルトの顔がう、となる。
 まぁ、この流れだと手が温かい=心が冷たいって事になるしね。
「ナルトの手は俺より温かいから-----」

 だから、きっと心も俺より温かいね?


 誰か言いふらしてくれないかな。手が温かいと心はもっと温かいって。
 ま。
 自分で言い出しますか。


カカシ先生は大人なので色々小狡い言い回しが出来るのです。



「うぅわぁぁぁぁッッ!!?」
 詰め所に響く不躾な声----発信源はクマことアスマだった。
「何」
 どーも俺に向けられてるらしかったから、仕方なく首だけ回してそっちを向く。
 アスマは”驚愕”って言葉がぴったりな表情をしていた。
「何」
 20秒待っても何も言わないので先を促す。こっちはそれなりに忙しい身なんだから。
 これから、買い物がしたいのに。
「お、おおお、お、恐ろしいモノ見ちまった………!!」
 咥え煙草が無いのはきっと落としたんだろうね。
 それにしても、恐ろしいモノって……
 此処は平和な詰め所。今日はちょっと人が少ないな。
 アスマは震える指を、その”恐ろしいモノ”へ向ける。
 ………って。
「りょ、りょ、料理の本読んでるカカシ-------!!!」
 ちょっと、待て。料理の本読んでる俺の何処が恐怖だ。
 しかも周りのお前等。アスマの声に同調して戦いているのは何でだ。
「何ー?俺が料理の本読んでちゃ悪いっての?」
「悪いっつーか、在り得ねぇ……!これは何の前兆だ……!?」
 少なくともこのまま行けばアスマが死ぬ未来は確実かと。
「料理って言ってもねー。ホラ、お菓子の所だよ」
「ますますあり得ねぇ」
 誰かに聞きたい。このクマ殺ってもいいですか。
「だってナルトがさぁー。もう意地に近い形で野菜食わない!って頑固なもんだから。
 ニンジンのケーキってあるでしょ?あれで野菜は不味いものじゃないってまず解らせる所から始めようと」
 買おうと思ったら売ってないんだよね、これが。
 まぁ、売れないからだろうと思うけど……(ナルトなんかニンジンって字を見つけた時点で逃げそうだ)
 無かったら、自分で作るしかないでしょ。
「……過保護なんじゃねーの?」
「そう?部下の栄養管理指導って大事じゃない?」
 呆れるアスマに反論。俺的に過保護ってのは、なんかこう高笑いするオバサンのイメージだから。
 あと、自分の家の事を「宅」って言うオバサンとかね。
「他2人にもするのか?」
「え、だってサクラもサスケも野菜食べるし」
 必要ないでしょ、と正論言ってあげた俺に、アスマは「対比がないんじゃ自覚は難しいな」とか訳の解らない事を抜かした。
 ま、こんなクマほっといて、何が必要なのか、どういう手順なのかちゃんと覚えなくちゃ

 作って、食べさせて。
 そうして多分美味い!って明るい笑顔で言うだろうから、それはニンジンから作ったんだよ、って言ってあげるんだ。
 その時の顔を想像するだけで、何だか俺も笑えてくる。
 さて。
 そろそろ作戦開始と行きましょう。


「ナルト、そのケーキ美味しい?」
「うん、美味いってばよ!!」
「実はね、それはね…………」


カカっさんはナルトに甘いって事に無自覚です。いつ気づくのでしょうか。……本当に。


「あーぁ、参るな。何処も彼処も禁煙禁煙で煙草出すだけで皆が白い眼するんだぜ?」
「あー、解る解る。
 俺は煙草じゃないけど、ナルトに手を出すとネジやヒナタが白い眼で見るんだよねー」
お前ソレ点結探られてるぞ


ピンチです、カカシさん。