*雰囲気変えてWさんの1人称です




 ……熱い。熱帯夜みたいな暑さじゃなく、こう、身体の奥から沸いてくる。それが無視できないくらいになったから、俺は起きる為に意識を浮上させていった。そうして、眼を開けると、
「ウーたん、おはよー」
 眼の前のリーオンは、間抜けな呼称と笑顔を俺に向けた。
 ……眼の前っつーか……
 寝転がっている俺に、リーオンは勝手に跨って突っ込んでた。だいぶぐっしょりしているのを見ると、こうなったのはさっきの今じゃないみたいだ。
「……何やってんだよ、お前」
 若干呆れ気味に俺は言う。しかし、リーオンは気にするでもなく、
「だってウーたんの寝顔可愛いから、なんかしたくなっちゃったv」
 したくなったからってそのままするかよ。てか、起こせよ。色んなツッコミのセリフが渦巻いた。
「寝ながらしてるウーたんもいいけど、やっぱり起きてる方がいいかな……」
 はふ、と蕩けた顔で言う。
「中でびくびく動いてる……」
「っく、……!」
 リーオンが動きを再開させたから、半端だったのに熱が溜まっていく。このまま吐き出してしまいそうなくらい。
「イく?イっちゃう?」
 中の俺の動きで察したんだろう。少し身を屈め、俺を覗き込んで楽しそうに言った。
 そう簡単に……イってたまるかってんだ。
 少し手を伸ばし、繋がっている所より少し上を弄る。ぷつ、と膨らんだ所を見つけ、それを指の腹で捏ねるようにする。すると、すぐにリーオンは反応した。
「ウ、ウーたんずるいッ!」
「ずるいー?」
 そんな言いがかりつけると、もっと強めに弄るぞ、っていうかしてるけど(笑)。それに比例して、リーオンがもっと乱れる。
「其処されたらっ……最後まで持たないって、知ってるくせにぃ……ッ!!」
 身体が踊っているみたいに妖しく撓る。少し視線を下にずらすと、俺をくわえ込んだままの箇所が、ひくひくと反応しているのが見えた。……ふーん、結構いい眺めだな……
「あ、ぁっ!おっきくなっ……ッ!!ふぁぁん……!」
 大きくなったのはお互い様だ。襞に隠れるようだったそれは、摘めるまで出っ張っている。なので、きゅう、と掴んでやった。
「ひぅッ!んあぁぁ-------ッッ!!」
「っ……!!」
 きつく伸縮する内襞をどうにかやり過ごす。滲むようにリーオンから溢れでたものが俺の腹部を濡らしていくのを、最後まで見届けた。
「あぅ……ん……」
 ようやく大きな波は去ったのか、喘ぐように息をするリーオン。
「で。誰がイくって?」
「……ぅー………」
 開きっぱなしだった口の端から零れた唾液をふき取っている。恨めしそうに俺を見ていた眼が、ふと色を変えた。
「……ウーたんなんでイかないの?」
「うん?」
「オレって、そんなヨくない?オレは凄い気持ちいのに……」
 くすん、と鼻を鳴らす。溜まらず俺は噴出した。
「ばーか。めちゃくちゃイイに決まってんだろ」
 腹筋を使って、繋がったまま起き上がる。近くなったリーオンの眦に溜まった涙をぺろりと舐めた。
「だって、イってない……」
「あれは堪えてんだよ」
「なんで?」
 そんな事を訊いてくれるリーオンに、飛んで火に居る夏の虫とかいう諺を送りたい。でも、そんな好プレーはくれぐれも俺にだけにしてもらいたいもんだ。
「知りたいか?」
「ぁ………」
 一回リーオンがイってるせいか、少し動かしただけで大きな音がする。
「あぁっ、ん……あ、ふぁ、あぁぁん……!」
「お前さ、イってる最中に、こうやってかき回されてると、すげーイイ顔してんだよ。やらしいの」
「あッ!ま、た其処する……ッ!!!」
 く、と指で持ち上げるようにしただけで、面白いくらいに反応する。てか、訊いてるのかコイツは。
「ぁ、あ、あっ、あ、あ!!」
 嬌声が断続的に撥ねるようになってきた。そろそろだな、と思った俺は動きを早くする。それに、びくん!と大きくリーオンの身体が撥ねて、
「っあ-------ッッ!!」
 ……よし、イったな。休む間もなく、俺は突き上げる。
「ぁひッ!?あん、あ、あぁぁぁッ!!」
 この顔。今の顔が好きなんだよ。俺は。
「ふやぁ……っぁ、止まんなくなっちゃぅぅ……っっ!!」
 そりゃそうだろ。そうしてるんだから。
 それから殆ど間を置かず、リーオンは3度目の絶頂を迎えた。
「はふ……ん……-----っ、あー……!」
 それでも中の俺は相変わらず動いている訳だから、前のが鎮まらない内に新しい刺激を与えられ、リーオンの中は文字通り俺で一杯なんだろう。そんな表情をしている。
 そんな顔を見ると、俺は一種の安堵みたいなものを、覚えるんだ。
 で、それからさらにもう一回、リーオンをイかさせて、その時俺も熱を吐き出した。
「……っん……、ウーたんのいっぱぁい……」
 ふにゃ、と顔をほころばせ、至極幸せそうに言う。あんなに大量に吐き出されて、気持ち悪くはないんだろうか、って思うけどそれはどうも杞憂らしい。
「もっといっぱいイってもいーのに……」
 依然とろりとした表情でそう呟かれると、また抱きたくなる。さすがにそれはどうだろう、と思うから堪えるけど。そろそろ家の手伝いもしなきゃだしな。
「……まぁ、俺もそうしたいけど、こっちはお前と違って一回イくとそのまま立て続けに、ってのが出来ねーからなぁ……」
「ぅー………」
 こら、そんな悲しい顔するんじゃない。言う事聞いてやりたくなるじゃないか……
「だいたいな、イかなけりゃ気持ちよくないみたいに思ってるけど、全然そうじゃねぇよ。お前だったそうだろ?俺のが入ってるだけで気持ちいいんじゃねぇの?」
 うん、とリーオンは素直に頷いた。
「それと同じだって」
「でもー……オレ、ウーたんのイった顔見たいんだもん。きっと可愛いだろーなーvv」
「可愛いって、こんな二の線捕まえて、お前」
「え、だって可愛いよ?」
 いやだから。そんな事をあっさり言われても、喜べばいいのか突っ込むべきなのか。微妙に困っていると、そんな俺の鼻をリーオンが軽く噛む。
「って事だから、絶対いつかイかさせてやるからねーv」
「諦めの悪ぃヤツ……」
 溜息混じりに言ってやったが、リーオンはへへーと笑ったままだ。
 諦めが悪いというか、頑固というか。ま、そんな所も好きなんだけどな。
 リーオンにキスをして、うっかりそのまま、またしそうになった時、グリードーが来た。やばい、もうこんな時間か!
 慌ててリーオンの身体から自分を抜くと、
「あッ!ん………!」
 俺の出した分と、リーオンから溢れたものが零れ、内腿を伝う。それは見てはっきり解る程で、勢いは失ってもとろとろと出てくる。
 ……あー、これどうにかしてやらんと。ついで言うと、今のが刺激になったようなリーオンは身体を震わせている。そして潤んだ眼で見上げ、
「……ウーたーん、……したくなちゃった……」
 だーもう。ンな縋るように見るなよ……ったく……
 ほとほと、愛想が尽きるのは自分にだろう。
「……グリードー。あと30分待ってくれるか」
「………。2度目はねぇぞ」
 もっともなセリフに、苦笑するしかない。
 それはそうと。
「さーて、早速だな。イかせれるもんなら、イかせてみろよ?」
「うん、頑張る!」
 頑張るって、その表現はどうだろう。
 ともあれ、俺はリーオンを押し倒した。




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