プライベート・キープ



 *ちょいと舞台説明
 現代日本を基調としたアナザー・ワールド(まぁそのまま現代パロでも出来るが)。
 現さんは自称錬金術師で爆の家の隣の洋館に住み着いています。
 爆はほっとくと飯も取らない現の世話を焼きに来ます。
 2人は一応両想いみたいです。





 また現郎が妙なものを練成した。
 妙なもの、と言ってはそれが可哀想だが。
 出来上がったそれは、小さな、爆の手のひらにちょこんと乗るくらいの小さなグラス。グラスの淵と、取っ手が銀で連結している。ともすればシンプル過ぎて味気ないそれには、四葉のワンポイントがグラスに刻まれて、いいアクセントになっていた。
 ハーブティー飲むのによさそうだな、と最近それに凝っている爆は思った。耐熱かどうかは訊いてないが、現郎の作ったものなのだし、熱湯くらいで皹が入ったりはしないだろう。
「で、何を思ってこれを作ったんだ?」
 現郎が作り上げたものは、その時の現郎の心情に深く関係がある……と、思う。あくまで推測の域を出てないのだが。
 現郎は、んー、と唸るように言って、後ろ頭をがしがしかいて、
「……オメーがハーブティーに凝ってるって言ってたからじゃねーの?」
 やや早口で言う。
 と、いう事は。
 少なくともその時、現郎の中に占めていたのは、ふいに喋っただけの日常会話で。
「…………」
 爆は手の中のグラスを、じぃっと見る。
「……どうせ、貴様はハーブティーなんか飲まんだろうから、オレが大人しく貰っといてやる」
「……大人しいかもしれねーけど、素直じゃねぇよ」
「お互い様だろ」
 そう言って、現郎は照れると後ろ頭をかくんだな、と爆は覚えた。


 ----明日は。
 現郎の好きな菓子でも作って。自分はこれでお気に入りのハーブティーを飲んで。
 でも、現郎が作ったものなのだからなのか、飲むと眠くなるから日中にはあまり向かないな、と。
 ベットに沈んで、想う。


現郎はぬくいお茶が好きくさい。



 アイスクリームに賞味期限が無いのは、やっぱり冷凍したものだからだろうか、という話から発展した。

「人も冷凍出来たらいいのに。そうしたら、いつまで経っても、必要な時に居させる事が出来る」
「おいおい、猟奇的な事言ってんじゃねーよ」
「まぁ、いつも必要だから冷凍する暇も無いんだけどな」


食べ切れなかったお菓子は冷凍保存します。