My mife is king of the world!
諸注意;この話は新婚ネタなので以下の事を警戒して下さい。
1.激がかなり爆にメロメロです。
2.真ががなり親バカフィーバーです。
それでもよろしければどうぞ!
「……何か、最近大変そうだな」
優雅な仕草とも見える動きでお椀に味噌汁を注ぐ爆。
「ん〜、ここんとこデカい仕事が重なったからな〜」
それを受け取りながら現郎はぼやくともなく言う。
「そうか。でも無理はするなよ」
「おー。……(味噌汁を啜る)オメー味噌汁作るの、上手くなったな」
「そ……そうか?」(←照れてる)
「……って何やってんだよ!オメーらはぁぁぁぁぁ!」
長閑な夕食の席に有るまじき咆哮を発したのは激であった。
「あぁ、激帰ったのか」
「何やってるって……味噌汁飲んでる」
ズゾー、と飲みながら事実を告げる器用な現郎だった。
「ンな事ぁ見りゃ解る!」
「(ポリポリ)だったら訊くなよ……」
「たくあん食いながら言うなぁ!ったくよ、新婚宅に堂々と夕飯をご相伴に預かろうたぁ、無神経にも程があるぜオメーは!」
「新婚って……まぁ、そうだが……」
大声でそんな事を言われて爆としては恥かしいやらこそばゆいやら。
3ヶ月前、挙式こそしなかったが、爆は激と結婚をしたので新婚ど真ん中である。無論新妻でもあったりする。
「爆。オメーもだ。ほいほい家に上げてんな」
「何でだ。いいじゃないか、最近忙しくてまともな食事も摂ってないというし」
「よくねーよ!妻が夫の不在中他所の男と二人っきりだなんて、倫理に背く行為だろ!」
「安心しろ。三人だ」
その人はバタンとドアを開けてガタンと席についた。
…………。
…………………。
ギ……ギギギギ……と、激はまるで油の切れたブリキのおもちゃみたいな動作でその人の方を向いた。
「……いらしてたんですか、お義父さん……」
「いては悪いか」
激にとって義理の父親は爆にとって実の父親で。
まぁ速い話がその人は真な訳で。
「いえ……大した用もなく、ご足労を、と……」
「用?親が子に会うのに何の用がいる?」
激の歪曲な嫌味を、真っ向から跳ね返す真。
用があっても上げたくねーよ!と激は心の中で絶叫していた。
「お義母さんは今日は?」
「ああ、それがな急遽な出張が入ったんだ。一人で家にいるのも何だし、今日はこのままここに泊まろうと思うんだが」
とっとと帰りやがれ。
寸前でその言葉を押し留めた激だった。よっしゃ偉いぞ俺!
「……俺は構わないんですが、そんな急では爆も……」
「主である貴様がいいのなら、別にいいだろう?さっきの関白ぶりは見事だったぞ?」
テメー嫌味言いたいだけだろ。
……あと少し理性が働くのが遅かったらヤバかったかもしれん。
「じゃぁ、改めて爆にも訊くか。泊まってもいいか?」
「ああ」
「良くねーよ!」
ついに口に出てしまった。
爆は激に驚きながらも、
「今日はいいじゃないか。何処かへ行くという約束もないし」
「オメー……忘れたのかよ!?」
切なげに言う激にはうっすら涙が。
そんな激を見て何か約束でもしたのかと、爆は必死に記憶の糸を辿る。
「昨日俺が帰るのが遅くてオメーが眠くて仕様が無ぇっつーから、エッチすんの今日に持ち越したんじゃねーか!!」
ぶっふぅぅぅぅぅぅううう!!
誠にタイミングが悪い事に真はその時味噌汁を口にしていた。天井に霧状の味噌汁が舞う。
「なッ……!げ、激、そんな大声で……!!」
激の大問題発言で爆は怒るよりもまずうろたえた。その後ろでは現郎が雑巾を持ってきて真の惨状の後始末をしている。
激の暴走は止まらない。
「だいたいオメーはキスの後いつもその後10分間は口きいてくんねーし!!結婚したんだから照れても今更だろ!とか思いつつもそんな爆がまた可愛くて惚れ直したりで!」
強引な流れながらも自然に惚気る激だった。
「……貴様……言いたいのはそれだけか……?」
この、地の底から湧きあがるかのような声は爆のものではない。真だ。
「ああ、遺言がまだだったな。あと30分くれてやるからその内に残しとけ」
目が……据わってる……
この男、殺る気だ!
「ちょ……親父……」
「るせ。人の台詞を先取りすんなってんだよ、この肩だし野郎が!」
「お……おい、激……」
「言ってくれるな反無重力髪型男!」
「……オメーとはいつか決着つけなきゃなんねーと思ってたんだ!丁度今がいい時期だ!表へ出ろ!」
「ふッ、若造が。返り討ちにしてくれるわ!」
「――いい加減にしろ!二人とも!」
どんどんエキサイトしていく二人に爆がストップをかける。二人は揃って動きを止め……そのままこの動乱に終止符が打たれたと思われたが。
「爆!だいだいオメーはどっちの味方だ!」
「へ?」
「そうだ。この際それだけははっきりしておくべきだな」
「え?え?」
二人の矛先がお互いから爆へ向かっただけだった。
「で、どっちだ!?」
「どっち……て……比べるものじゃないだろう」
「比べるんだ。爆」
自分よりもかなり長身の男二人が迫ってくる。しかも言い知れない威圧感付きで。
じりじりと後ずさりをしていく内に、爆の背中は壁に到達してしまった。
『どっち何だ!?』
「ぁぅ……(困)」
「……図体デカいの揃って、何凄んでんだ、よ!」
ゲシゴゴ!
現郎の見事な回し蹴り2連チャンはとても綺麗に真と激の後頭部げヒットした。
二人は当たった箇所を押さえ、アイターと蹲っていたが直ぐに復活(ほぼ同時に)。
「爆!今からでも遅くない!離婚しろこんなヤツとは!!というかそもそも俺は最初から反対だったんだ!!」
「じゃぁなんで結婚させたんだよ……」
「……天がいいって言ったからだ……」
明後日を向いて言う真だった。彼は愛妻家なんですね。
「あーもう、いい加減にしろ!って2回目だがこの台詞は。
オレの人生はオレが決める!親と言えども口出しはさせんぞ!」
「爆……」
昔は一緒に風呂入ってたりしたのに……成長したなぁと思いつつも子供の自立が悲しかったりで。
激はる〜と涙を流す真を見て、心の中でザマーミロとほくそえんでいた。が、爆が怒りのままで自分を向いて顔が凍る。
「貴様には後でゆっくり話がある……」
激はタラ〜と背中に冷や汗が伝うのを嫌という程感じた。
「仕方ない……俺は帰るとするか。現郎、貴様もそろそろ帰れ」
「そうだな」
「……って帰っちゃうの!?」
この後に繰り広げられる惨劇を思うと、たとえ真でも側にいて欲しい激だった。
「ああ、何せ俺には新婚ホヤホヤの家庭に上がりこむ厚かましさはないものでな」
と、いけしゃあしゃあと言ってはにやにやと笑う真。
こ……こいつは……!!
「じゃぁな、爆又来るぞ」
「爆〜。とりあえず明日の仕事にゃ響かねーくらいにしとけよ」
バタン。
……………
じっとドアを見る。
「激……」
その声にビクゥ!と肩を跳ね上げ恐る恐る振り返ると……
爆は結婚する際に貰った真の剣を振りかざしていて(嫁入り道具?)。
「覚悟はいいな?」
結局今日も出来せんでした。(by激)
つー訳で新婚ネタ〜。ちっともラブラブじゃないのは何故なんだいマドモアゼル?
今新婚本作ってるんですが、話書いてくうちにどんどんページ数がかさんで、「そ、そんなには閉じれねぇでゲス!」とホッチキスが訴えるので早々に見切り列車を出しました。
が!
その時見切られた話はどーする!?でサイトでアップさせることにしました。あぁ。開いてて良かった……
まだ話がいっぱいあるからシリーズ決定だな……
実は漢字辞典見て、子供の名前とか考えてたり……