小説にするのにはやや事欠ける、一部の状況やセリフなどを寄せ集め。
 下に行くほど新しいです。

:プラトニック・ヒストリー(略してP・H)の設定:
 *SSやSSSにアップされた小説によって多くなります。

:現郎:9月26日生まれ。
 ・煙草は吸う。
 ・酒には弱い。
 ・コーヒー党。
 ・爆にも弱い(笑)
 ・甘い物は好きでもないが嫌いでもない
  ……というか食べ物に好き嫌いが無い(”全部好き!”なのではなく”どーでもいい”)
 ・でも爆が甘い物を食べるのは好まない(爆の味を邪魔されるから)
 ・ドライアイスを気化するのが好きである。


:爆:
 ・甘い物が好き。ケーキが好き。
 ・終わった後に現郎の服を着るのが好き。
 ・現郎が煙草を吸うのは嫌だ(現郎の味が解らなくなるから)
 ・水中プレイがしたいらしい(笑)
 ・現郎にだけ我が儘。


:2人の事:
 ・誘うのは爆の方からが多い。
 ・時間帯は昼でも夜でも気にしない。
 ・朝昼晩、最低各1回キスをする。
 ・Aをすっ飛ばしてCを先にしてしまったらしい。



 爆の最近の悩みらしい悩みと言えば、クッキー等を作る時に、残った卵白をどうするか、だ。

 少し考えて、角が出るまで泡立てて、ラム酒等を加えてオーブンで焼いてみた。
「………いー匂い……」
 リビングで寝転んでいた現郎が、のっそりとキッチンへ乱入して来た。
「余った卵白で適当に作ってみた。食うか?」
 ほら、と差し出した爆の手から直接ぱっくん。
 サク、サク、と小気味良い音が、現郎の口に響く。
「………美味ぇ」
「気に入ったか。それは何よりだ」
 ちゅん、と重ねた唇から、ほんのりとラム酒の香りがした。

 数日後。
「なー、爆、アレが食いてぇ」
「”アレ”?」
「卵の白身を焼いたヤツ……」
「あぁ、あれか。でも卵白は余ってないしな……」
「食いてぇ」
「……………。
 ……仕方無いな……」

 最近の爆の悩みらしい悩みと言えば、現郎の好物を作った時に残る卵黄をどうするか、だ。

 
何だかんだで現に甘い爆君デシタ。

 空気に湿気と熱気が篭り、いよいよ夏は本番か、と思った矢先。
 本日。夜の風が冷たい。
 たまたま、昨日暇だったものだから、その時の気温に任せて大々的な衣替えをしてしまった爆は半袖で。
「………っくしッ」
 時折吹きすぎる風に、律儀にくしゃみをした。
「現郎」
「何だよ」
 現郎は上から降ってきた声に返事をする。
 今の二人の状態は、床に寝そべった現郎の腰辺りに、爆が腰を降ろしている。
「服を貸せ」
 言うやいなや、ぐい、と服を脱がしにかかる爆。最も、この姿勢では現郎の協力無しでは脱がせる事はかなわないのだが。
「んだよ。自分の着りゃいいだろ」
「全部仕舞った」
「だったらシーツでも被っとけ」
「動く時に不便だろうが」
「んじゃもう寝ろ」
「まだ夕食前だ」
「俺の他の服を着ろ」
「これがいいんだ」
「……我が儘」
「冷徹」
「生意気」
「無感動」
 いつの間にやら悪口合戦に変ってしまって。
 そして30分後。

「オメー、服肩からずり落ちてるじゃねーか」
「いいだろう。外に出る訳でも無い。パスタが伸びるぞ」
 ったく、とため息をして、すぐ横から入ってきた夜風にむき出しの腕が冷え。
「……っくしょぃッ」
 今度は現郎がくしゃみをした。

そして現郎さんも爆に弱い。


 今日も暑い。昨日も暑い。
 明日もきっと暑いでしょう。
 これは……
「ついに夏到来ってヤツだな、現郎」
「あぁ、今年は涼しくて米出来ねぇかと心配もしたが」
 何気に農家の味方の現郎さんであった。
「だからもう首に跡つけんじゃねーぞ。ハイネックは着たくねぇからな」
「ぬぅ……」

 某月某日。夏のある日。
 ずぞーとアイスティーを吸い上げた激は、向かいの席に座る現郎に。
「うっちゃーん。そのリストバントちょっち外してみなーい?」
「…………………」


 
首から手首へ。

 その日は珍しく一人でぶらぶらしていて。
 適当に入ったデパートの一角で、何やらネコのキャラクターを扱った店舗があった。
 パステル調の柔らかい画質が目を引いた。
 何より、そのネコが。
 ぱっちりとしたつり目の雉虎のネコだった。
「…………………」
 ざっと店内を見回って、ポストカードを一枚買った。
 まだ赤ん坊なそのネコが、野原で座り込み、どうしてか涙を浮かべて口を手で押さえている。(もしかしたら指を咥えていたのかもしれない)
 自分が物を買うなんて、それも生活必需品でないなんて、珍しいな、とつらつら考えて帰路を辿る。
 鞄の中にはポストカード。折れないように、気をつけた。


「ただいまー」
「あぁ、お帰り………」
 爆のセリフの後半が、不自然に消えた。
 何かあったのかと思い、声のした方向----キッチンへと向かう。
 もうすぐ夕飯時だから、その支度しているのかもしれない。
 ひょっこり顔を覗かせると、爆の背中が見えた。エプロンをしていた。
 爆がこちらを振り返る。
「魚の背びれに刺さったんだ」
 そう言った爆は涙を浮かべて、口に指を咥えて………
「………何を笑っているんだ?」
 いきなり腹を抱えだした現郎に、爆はそう問いかけるしかなかった。

 結局、僕には君だけ。


ダヤンは可愛いねぇ。


「現郎、元気出せ」
「……別に仕舞ってねぇけど」
 等と言う、いつもの仏頂面にもいまいち覇気が無い。
 それもそうだろう。この前来日が中止になった時から来るのを楽しみにして、唯一出るテレビも予約でセットして、なのにちゃんと録画されてるか、自分には気づかれないようにさりげなく窺っていた、それなのに。
 騒動を起こすだけ起こして、そのアーティスト達は帰国してしまった。
 その後も、「曲には人格関係ねぇし」と相変わらず歌は聞くが、やはり内心はかなりがっがりしたんではないだろうか。
「可哀相に」
 よしよし、と頭を撫ででやる。現郎はまたソファでなく床に直に座っていた。
「ヤメロ」
「案外、貴様も健気だな」
「何をいきなり」
「そういう所、可愛いよな」
「………はぁ?」
 思わず素っ頓狂な声を上げ、ようやく自分を向いたその唇に。
 悪戯に、軽くキスをした。


 
騒ぐからダメなんだよねぇ。っつても騒がない訳がないけども。


「……なぁ〜んか最近、晴れたかと思うと雨で、雨かと思うと晴れで……」
「外に出かければ、途中で必ず雨に降られるしな」
 爆と現郎は、規模の大きい自然公園に来ていた。植物園とはやや違い、珍しい品種の花や樹などは無い代わりに、園内全てにおいて立ち入りが自由だ。所々に休憩所もある。
 現郎たちが今居るのも、その中の一つだった。
 小さい女の子達が、ままごとでもしてそうな休憩所だ。
 最も、それは晴れの場合だろうが。
 人が少ない事を期待して、少々の小雨でも気にせずやって来たのだが……
「こんなに雨になるとはな」
「全くだ」
 言う爆に頷く現郎。ぼたぼたぼたと屋根を伝って落ちる雨音が耳に付く。
「しねぇの?」
 今度は現郎が言い出す。
「何を?」
「野外プレイ」
 一時期(冬の間)それをしようしようと始終煩かったのに、と付け足す。
 別に率先してやろうとは思わないが、爆がそうなのだとしたらやぶさかでもないのが本音だ。
 何だかんだで、目の前の相手と色んな事をしてみたいのは、爆も現郎も同じだ。
「嫌だ」
 周りを囲う壁は、座った時に困らない位置で終わっている。
 後ろでは、相変わらずの雨模様。
「期待に添う事は言ってやらん」
「……可愛くねー」
「思い通りになるのが嫌だ」
「……俺がそうすると、思いっきり拗ねるくせに……」
「何か言ったか」
「何でも」
 そうして2人は黙り、雨が上がるのをじっと待った。
 そのうち、このまま雨が続いたら、を想定して、現郎が帰る手段を色々考えて居る時だった。
「あ!」
 やおら爆が声を上げた。
「何だよ」
「今日、確かルノワールの特番がやっていたんだ!しまった!録画するの忘れた!!」
「ほー、そりゃ残念」
 諦めな。現郎はそう続けようとしたのだが。
「こうしてはいられん。帰るぞ」
 と、爆は言い。
 当たり前に、雨の中へ駆け出した。
「爆!?」
 強くは無いが、無視は出来ない雨量だ。
 あっという間に爆は全身、プールに飛び込んだみたいにずぶ濡れになってしまった。
「何やってんだ。降ってるぞ」
 そんな事、言われなくても解るだろう、と現郎は自分のセリフに自ら突っ込みを入れた。
「雨?それがどうした」
 濡れる灰色の世界、爆が振り向いて自分を見る。
「たかが雨だ。それくらいの物が、オレの行動を阻むなど、力不足にも程がある」
「…………………」
 威勢を張るわけでもなく、意地になるでもなく。
 心の底から、本音でそれを断言した現郎は、何だか毒気を抜かれた気分になった。
「………そうだなー。そういうヤツだよな。オメーは」
 踏み出した靴は、地面を踏んでざしゅ、と潰れた音を立てた。


「明日、風邪かもしんねーな」
「寝てれば治るだろう」
「それもそーだな」


傘要らず。



「何か降ったり止んだり降ったり止んだりで煮えきらん天気だなー。
 降るんならもっとはっきり降らんか!!」
「あんまりそういう事言うもんじゃねーぞー」

 後日。
 どじゃー(大降り)
「何て事してくれたんだ現郎!!」
「俺かよ」

八つ当たり。


 雨の音が煩い。
 でも窓を閉めると篭る。
 だから爆は不機嫌だった。
「…………あぁぁぁぁぁ!!!すかっとしないな!!全く!!」
「今年の米の出来はいまいちらしいぜー。雨降りまくるから。
 この前は降らないで不作だったんに、我が儘だよなー」
「米はどうでもいい!今はオレの不快指数をどうにかしろ!」
「冷蔵庫にでも入ってりゃいいじゃねーか」
 ……………。
 ガチャリ。
「あー、はいはい、俺が悪かったよ。だから入るなよ」
 ばさ、と読んでいた新聞を床に置いて、今まさに冷蔵庫に入らんとする爆を、羽交い絞めで抱き上げる。
 むむぅ、と不機嫌絶頂の爆は、ふと気づいた。
「貴様の肌、さらさらだな」
「そーかぁ?」
 半袖から覗く腕を、爆が摩る。
 その手がシャツの中に潜る。
 その顔が満面の笑みに変る。
「現郎」
「……………」
 さすがの俺も、そういう事すると汗かくんだけどな、と、言っても聞かれもしないだろうから、心の中で愚痴た。

「汗かいた後にシャワーするとすっきりするな、現郎」「俺はサウナか」

「爆……オメーは人間だよな」
「何を言うんだ現郎。暑さでやられるような、そんなデリケートな頭じゃないだろう?」
「服着ろつーんだよ、オメーは!」
「暑いんだから仕方ないじゃないか!」
「だからって素っ裸でいたんじゃ万物の霊長類の恥だ」
「だったら、ずっとヤっていよう。うん、それがいい。
 現郎も、きっと服なんか着ていられなくなるぞ?」
「………オメー、”暑いから服着たくない、て理由と、微妙に反故してると思うぜ、それ……」
「細かい事は、気にするな」
「いやデケェよ」


夏、ベットの上での事でした♪


 大抵、葉書などという物に触れるのは、冬かこの時。
 とは言え、元旦のそれほどではないが。

「真に母さんに炎に、おぉ、珍しくピンク。
 激とカイは相変わらずマメだな」
 きちんと毛筆で宛名が書かれている葉書を見て、爆が言う。
 まずは、両親からの便り。アサガオの絵の横に(筆で描いた水彩画なので、”イラスト”というよりも”絵”といいたい)綺麗な字の一文が添えてある。
「”腹を冷やさないように”か。いつまで経っても子供扱いだ」
「いつまで、てオメーまだ10じゃねーか」
 気温は、25度を軽く超えた。
 暑い暑いと文句を言いながら自分の膝の上に居る爆に、現郎がツッコむ。
「価値観の違いというヤツだな」
「違う。絶対ぇー違う」
「あ、激は貴様宛てだな」
 無視しているのか、聞き流しているのか。
 爆は葉書を後ろへひょい、と渡した。
 てっきり激も爆に描いたものだと思っていた現郎は、不思議に思い葉書を受け取る。
 その葉書には、風鈴と豚の置物に入った蚊取り線香の絵があった。
 そしてその横に。

 ”現郎、スタミナはちゃんと付けろよなv”

「…………爆」
「何だ」
 4分の1カットされたスイカの絵のピンクの葉書と、金魚の絵の付いたカイの葉書を見ながら言う。
 ちなみにそれぞれのメッセージは、ピンクが”折角の夏休みなんだから、たまには一緒に遊びなさいよ!”で、カイが”爆殿お元気ですか”である。それぞれ、らしいといえばらしい文だ。
「オメー、3日前の事、激にでも喋りやがったか……」
「別に。オレはありのままだけを話しただけだ」
 最後に炎の、蓮の花の絵の葉書を見ながら言う。備え付けられた文は、”今度一緒に出かけよう”である。
「ありのまま………」
 つまり。
 暑さでヘバって、ヤろうと言う爆に対し今日は本当に勘弁してくれと頭すら下げた事、全部をか……
「……………」
 今度激と会う時は殴り合いになるな、と爆の頬を抓りながら思った。

ウチの現郎さんは立場が強いのか弱いのか解りませんね

 現郎の音楽の趣味はいっそ感心してしまう程、バラバラだ。
 ジャズもあればクラシックもある。
 ロックもあればアニソンもあるし、現代ポップも映画のサントラもある。
 特定の好きなアーティスはいないらしい。
 テレビなんかを見ていて、
「お」
 と一言呟いた曲を、翌日か少なくとも1週間以内に見つけてはそのCDを早速流している。
 欲しい、と思う瞬間はまちまして、発売すぐの時もあれば、数年経ってからの時もある。
 後者の場合だと大変だ。大概アルバムにしか残ってない場合も多いから。
 それを考えると、
「オレの時の場合、ラッキーだったな?」
「何がだ」
「売れる前に捕まえて」
 現郎はふーとため息ついて、
「オメー欲しがる物好き、そうそう居ねーよ」
 何か反論しようかと思ったが、そうなると、オレはその物好きを好きになった、もっと物好きになってしまうので。
 首筋に思い切り噛み痕、付けてやった。


ワタシの場合、ビートルズのアルバムの横にスレイヤーズのドラマCDがあります。


 今年の夏は異常気象。
 何故なら、「寒い」。
 ノースリーブで夜、外に出たら、一発で風邪を引いてしまいそう。
 と言うか。

 引いた。

「………っくょ!」
「鼻風邪だなー。熱はそんなにねぇだろ?」
「っくしょん!」
「ほい、ティッシュ」
 差し出されたティッシュで鼻をかむ。
 ゴミ箱にはその残骸が、アルプス山脈よろしくてんこ盛りだ。
「だーから俺はやめとけ、っつんたんだ。あんな袖なし」
「仕方無いだろう」
 そこでセリフを切って連続して、くしゃみ。
 そして言った。
「あれが一番気に入ってるんだから」


おめかしおめかし


 暑い気温。蒸す湿度。
 アイスの美味しい環境だ。
「まさに、夏!て感じだな」
「暦の上じゃ、秋だけどな」
「………は!今年は屋外で一度もしていない!」
「いーじゃねぇか、虫に食われるんだし」
「ふー……(ため息)情緒の無いヤツはこれだから困る」
「………(情緒なんか?)」

季節の区切りて、曖昧よね。