cogito, ergo sum
僕達は
何処から来て
何処へ居て
何処へ行こうとして
何故ここに居るんだろう。
「ねぇ、爆くん――」
「何だ」
新聞を読む爆を後ろから抱えたままで雹は尋ねた。
人前でやると容赦なく殴る蹴るを加えるが、他に誰もいなければ、爆は雹の好きにさせている。
「どうして自分がここに居るのかって、考えた事はある?」
「この世界の覇王になるためだな」
爆は即答した。雹は嬉しそうに微笑む。
「そうだね、君はそのために居るんだね」
ぎゅう、と抱き締めると爆が新聞が読めない、と抗議した。
「じゃぁ僕は……」
爆の肩に頬を乗せて言う。
「君に会う為にここにいるのがいいな」
「何だ。それは……」
爆はこういう主体的でない意見は好まない。自分というものを明確に持っているからだ。
それは解っているけど。
「だって……もしそうなら、僕が今まで感じた苦しい事。悲しい事――」
変異種として産まれた事や
弟を殺された事や
人を憎しみながら生きていた事
全て。
「――全部、君に会う為に必要だった事になるね……」
そうであったら。
どんなに嬉しい事か。
故郷の人々に忌み嫌われた事すら。
だから。
「そう、思わせてくれる?爆くん」
「…………」
爆は首を捻って雹を見た。
そして。
「勝手にしろ」
その言い方は相変わらず素っ気無くて。
でも。
「うん……」
雹は泣きそうに微笑む。
勝手に、そう思うよ
短。(←率直な感想)
プロットの段階じゃマンガにするはずだったんですけどね……文字だけで淡々と綴った方がいいんじゃないか、と思ったので。
カイ爆で思いっきりギャグやったから、何だか切な系ですね。(すまん。カイ)