1+1=1




 激の作ってくれた蜂蜜酒は、甘くて口当たりも良く
 ついついオレは飲みすぎた
「あ〜……なんかいいー気分♪」
 激もそうみたいで
 全開の窓から吸い込まれる夜風に当たる
 ふわ、とその髪が揺れる
 オレは自分が酔っているというのを
 薄ぼんやりと自覚した
 酔ったオレは
 何て言うか
 普段ピンと張っている
 バリヤーとか
 プライドとかが薄れて
 激に膝に
 向かい合わせに乗せられても
 大して気にしない
 キスされても
 抵抗しない
 というか
 そうしないのがおかしいんだ、とすら
 思えた
「……爆の心臓、ドキドキいってんな」
 胸に置かれた激の掌
 オレの胸を包み込んで
 熱かった
「貴様の方もしているだろう」
「そっかな」
 オレは激の胸に手を当てて
 そこは一定のリズムを刻んで
 生きてるんだな、と当たり前の事を
 とても嬉しく思う
「ほら、貴様の方が早い」
「んー?」
 しばらく、オレと激の掌は
 オレと激の胸を往復して
 ……面倒くさいな
 オレは激の服のボタンをすっかり外し
 自分の服を脱いで
 直に重なった
 けどよく考えれば
 正面から抱き合ったのでは心臓同士は重ならない
 この行動の
 意味は
 あまりなかった
 意味はないけど
 ……気持ちいい
「爆」
 激も意味なくオレを呼ぶ
 ……気持ちいいのか?
「触っていい?」
「もう思いっきり触ってるじゃないか」
「もっと、触っていい?」
 激の手が背中にまわり
 オレをぎゅうと抱き締める
 その拍子に激の服は落ちた
 オレは多分
 さっきの激の要求には

”いいぞ”と答えたに違いなかった

 そこからの記憶はなかった
 覚えてるのは
 月夜を飛んでるような心地よさ
 羽毛に包まれるような温かさ
 側には激が
 居るという事

 朝だ
 といってもおそらく限りなく昼になっている
 オレ達はどうしてかベットに寝ていた
 当たる肌で
 何も着ていないと知った
 ……………
 何か、したんだろうか
 何も、なかったんだろうか
 この時間は優しくて
 まるで安息する魂が見せる夢みたいに
 考える事をさせてはくれなくて
 けれど、それはきっと
 考えなくてもいい事だからだ
 オレはじっくり
 これ以上はないくらいの至近距離で
 激の寝顔を見た後

 また、眠った

 次に目を覚ますのは、激の慌てた声で




うーん、何でしょう……エロはナシで妖しい感じを出したかったのです。ハイ。
事後か未遂かはお好きな方でv
相手をカイにしようかかなり迷ったのですが、
しかしヤツはすでに酔っぱネタ仕様済みだったのでこういう時は激に(笑)
本当に扱いやすいカップリだわさ(だわさ?)