I am a cat !
鏡の前には一匹のネコ。
虎模様で緑の瞳のどこかしたたかな感じがする。
……実はこのネコは激なのである。
昼寝をして目が覚めれば……ネコになっていた。
(う〜ん、雹の仕業だな……)
ぽふぽふ、と肉球の付いた手で後頭部を叩く。
そういえばいつぞや「僕の爆くんと暮らしてるなんて許せない〜!呪ってやるー!!」って叫んでたし。
あいつらしくなく約束守ったって訳か。
(ま、このくらいの呪いならいつでも解けるしな)
激はシッポを振ったり耳を動かしたり。普段はない部分を堪能した。
と。
「帰ったぞ」
買い物に行ってた爆が帰宅。
そんじゃ、戻りますか……と思った激だが。
(待てよ……)
細い瞳孔がキラリと妖しく光る。
「激?居ないのか」
「にゃぁぁぁ〜んv」
とりあえず食料を然るべき場所に置いた爆は激を探し……そうしてたらいきなりとびついて来たネコ。
「ネコ?……うわッ!」
胸元のネコはさらに身体を攀じ登り、肩に手をかけて頬を舐め回す。実は激視点ではキスのつもりだ。
(いや〜、いいねぇvvいつもはこんなに思いっきり抱き付けないしv)
そんな事をしようものなら爆は圧死だ。
じゃれまくるネコをどうにか爆は引き剥がした。
「やたら人懐っこいネコだな……激が拾ってきたのか?」
ん?と覗き込む爆。
あぁ、爆の方から俺に近づいて来てくれるなんてv
近づいたのを幸いに、再びキスをしまくる激だ。まぁ、やっぱり舐めているようにしか見えないのだが。
「遊びたいのか?だったら外に出てもいいぞ」
ほら、と窓を開けてやるが、ネコは出てはいかずにますます爆にしがみ付き、爆がいいのだとアピール。
「にゃぁー!!」
「……仕方ないな」
「にゃv」
すりすりと頬に擦り寄る。くすぐったいのか、爆の表情が自然と微笑みになる。
それを誰よりも間近で見れている優越感に激は酔いしれた。
その後、二人(いや、今は一人と一匹)は遊んで……といっても爆はネコを膝に乗せて背中を撫でているだけだが。
しかしそれだけで十分至福である。
文字通り目を細め、幸せを噛み締める激。が、唐突に膝から下ろされる。
「うにゃ?」
「今から風呂入るから。大人しく待ってるんだぞ」
………風呂!!
その単語に耳がピン!と立つ。
「にゃーv」
爆の後ろをついていき、脱衣所のドアを器用に手……前足で開けて侵入。
「どうした。腹でも空かしたのか?」
「にゃ、にゃ!」
風呂場へのガラス戸を前足でぺしぺしと叩く。
「……風呂に入りたい?」
「にゃぁv」
「普通ネコは風呂を嫌がるものだが……」
しかし激の拾ってきたネコだ。普通とは一味違うのかもしれないな。
別に拒む理由もないので、爆はネコを抱え風呂場へ入る。
まずネコにシャワーを浴びさせ先に洗う。
(はぁ〜〜〜v気持ちいいvv)
わしゃわしゃと自分を洗う手の感触にうっとりする。
「ん。綺麗になったな」
泡を洗い流した後、ネコに向かってにっこりと微笑む。そしてネコが溺れてしまわないように、としっかり抱きかかえて湯船に浸かった。
(あ〜、身体全体に爆の感触……v抱っこされるってのもいいもんだなぁ〜)
「気持ちいいか?」
「にゃは〜vv」
激が蕩けてしまいそうなのは、勿論湯のせいではなかった。
夢の時間は瞬く間に過ぎた。もう寝る時間だ。
爆はバスケットを使ってネコ専用寝床を作ったが、もちろんネコ(激)が大人しくそこで寝るはずもなく。
予想通りに爆の胸の中である。
洗い立てで一層ふわふわになった毛を優しく撫でながら、爆はいつの間にか寝てしまっている。
心地よさに激にも睡魔が襲う。
(いやぁ、ネコいいねぇvもう少しこのままでいるかぁvv)
最後に爆の頬をぺろっと舐めて激は眠りについた。
翌日………
爆は自分の置かれている状況がつかめないでいた。
昨日、自分はネコを抱いてねたはずだ。
それが………
何で激と一緒に寝てるんだ!!?
しかも激は裸だ!!
「…………………」
思考回路がストップしてしまった爆。
と、激は目を覚ます。
「……………v」
自分はまだネコだと思い込んでいる激は、目の前の爆にキスをした。
「!!!!!!!!」
……その後の激は……
惨すぎて、ちょっと書けないv
雹の呪いはある意味、大成功をおさめたといえる。
うーん、何が書きたかったのかねー朱涅さんは!!
多分爆に甘えまくる激が書きたかったような。
それにしても激が「にゃぁ」とか言ってるのは如何なものかと。