その発端は何でも無い事だった。
「爆〜。このジュース飲んでもいいのか?」
それは雹がくれたものだったけど。
「構わんぞ」
早く飲んでねと言われたけど、大して喉が乾いてもなかったし、現郎が欲しいというのならまあいいか、と判断した。
とくかく、これが原因。
風呂上り。
くしゃくしゃと水分を多大に含む髪をタオルで拭きながら、爆は現郎に声を掛けた。
「現郎、上がったぞ」
…………
返事が、無い。
「……?」
いぶかしんだ爆は、髪からぽたぽたと水滴が落ちるにも関らず、リビングへ足を入れた。
「現……」
爆はそれを見た途端、顔を顰めた。
現郎はフローリングの床に直に寝そべっていた。すぐ横にソファがあるにも関らず。
少しでも心配した自分がアホらしい、と思いながら声をかける。
「現郎。風呂はいいのか?」
反応は無い。寝たままだ。
「……現ろ……?」
屈んで、頬でも軽く叩こうとしたその矢先、現郎が起き上がる。
……そうして気がつく。現郎の様子が尋常でない事に。
双眸は熱病に侵されたように彷徨い、息遣いが爆にまで聴こえるくらい荒い。獣を連想させる程に。
「どうし……」
何か訊こうとした爆の腕を掴み、自分の胸へと押し込める。爆はすっぽりと収まってしまった。
「現郎?具合でも悪いのか?」
「…………」
密着した状態では現郎の顔は見れない。
現郎が動いた。少し身体を離れかせ、そして――
「ん……!」
口付けた。
別にそれはいい。想い同士が通い、同棲している自分たちだしキスするのもこれが始めてではない。
ただ、こんな貪るようなのは初めてで。
(何だ……これ……)
頭がぼーっとして……何も考えられない。まだ乾ききってない身体では現郎も濡れてしまうというのに、それを止める事すら出来なかった。
「ん、ん……ンン……」
口唇をぴったりと合わせ、また離れて合わす。丁度いい位置を探しているようだ。
決まったのか、現郎の口唇はそこに定着し、ぼんやりしている爆の口内へ舌を挿しいれた。
その感触に爆の意識が戻る。
「……んぅ……!」
明らかにいつもとは違う。
いつもとは違うものを呼び起こさせられる。
「ん……ふぁ……はっ……ん!」
現郎の舌が口内を弄ったり、舌を掬い上げて絡ませたり。
何も知らない爆はされるがままだった。
(苦し……!)
酸欠で爆の頭がくらくらし始めた時に、よくやく解放された。
「ふ……」
腰からの力が抜けてしまったように動かない。
座っていても倒れそうな気がして現郎にしがみ付いた。
「や……現郎……!」
しがみ付く爆の首筋に、ねっとりと舌を這わす。頬へ、そして耳の中を弄る。ぞわっとした感触が、背中から凄い勢いで迫り上がるのに耐え切れなくて、ついに現郎を力一杯突き飛ばした。
手加減なんて出来なくて、現郎はかなり大きい音を立てて床に倒れた。
「……現郎……」
何度目か解らない呼びかけ。起き上がった現郎は、もう襲っては来なかったが、やはり肩で荒い息をしていた。
「……どうしたというんだ、一体」
「爆……」
自分を呼ぶその声も、普段とは質が違った。
「縄……ねぇか……?」
「縄……?」
「それで……俺をどこかに縛り付けろ……でなきゃ今度はもっと……」
頭の中が空っぽで。爆を抱く事だけを考えて。
そのためには傷つける事すら躊躇わなく。
……何がどうなってるんだ。こうしている間にも、何かが理性を蝕んで行く。
「縛るって……そんな……何か原因があるんだ。それが解れば……」
「僕がご説明しましょうか?」
――何時の間に居たのか。
闇のような黒衣を纏う、人の良さそうな奥までは見せないその瞳。
チャラ。
「なっ……、貴様、どうやってここに!?」
「ちょっとテレポートを使いまして♪……どうやら僕が想像してたのとは違った方向で面白くなっていますねぇ」
顎に手を添えて楽しそうに言う。
「ま、それはさておき。
現郎様がそうなってしまったのは、雹様のジュースのせいですよ、爆君。あれにはすこぶる質の悪い催淫剤が混入されてたんです」
「……催淫剤?」
「ぶっちゃけ言うと、エッチな事がしたくてしたくて堪らなくなる薬です。で、それのどこが質が悪いのかというと、身体を繋げる以外効能を消す術がないという事で」
「……何で、アイツはそんな事をしたんだ!?」
「……貴方を手に入れたいからでしょうね……我が主人ながら手段を選ばないと思いますけど……」
チャラが苦笑する。
「……全く……」
と、背中にずしんと重みを感じた。何かと思えば現郎で。
「ちょ……」
するすると爆のバスローブを脱がし、露になった肌を舌で味わう。身じろいで逃げようとしたら身体全体で包み込まれて。
「現郎!チャラが……!」
「おや。どうやら完全に薬が回ったようですね」
「ですねって……んっ……!」
背中がちくんと熱い。現郎が吸い付いたからだ。身体の柔らかそうな場所を見つけては、印を付けていく。
「現郎……」
「こうなったらもう言葉で言っても無駄ですよ。もう爆君を抱く事しか頭に無いでしょうから。
……このままほっといたら、狂いますね、確実に」
――現郎が狂う、と聞いた瞬間の爆の顔ときたら。まるで世界の終りを告げられたようだ。
「だったら、やる……」
「知ってるんですか?やり方」
「……………」
知っているはずも無かった。爆は途方に暮れた顔で自分に纏わり付く現郎を見下ろす。
「仕方ありませんね。僕が手伝いましょう」
「手伝う……って?」
「嫌でもこれから解りますよ……とりあえずは現郎様と向き合ってちゃんとお相手してください」
何も知らない爆としては、チャラの言う事に素直に従うしかない。言われるまま、後ろを向いて口唇を求めた現郎の好きに応えてやる。
「ん…ぁっ………」
途端にぽやんとする意識。さっき覚えたばかりの深い口付けを、それでも懸命に現郎に合わせた。
段々と熱くなる身体は周りの空気の温度に敏感になる。下半身がひんやりとした夜の空気に晒されたのがすぐに解った。
しばらくは気がつかなかった。が。
自分はバスローブ以外身に付けていない。
「やっ……チャラ!」
「ホラホラ、ちゃんと相手しないと現郎様が拗ねちゃいますよv」
「ンン!んぅっ!」
チャラの言う通り、爆の意識が他所に向いたのが気に食わないというふうに、現郎がやや強引に口唇を重ね舌を捻じ込む。執拗に舌が絡み付け根がじんじんした。
「……くふぁ……ん……」
(〜〜〜ッ、見られてる……!)
それも、現郎以外の人に。
今まで流れる事の無かった涙が溢れる。
「……大丈夫ですよ。最初は現郎様に上げますから……」
当然爆には言ってる事の意味が掴めなくて。それよりも下の肌を摩る手の方がはるかに気になる。そこからさっき感じたぞわりとした感触が湧き上がるようで。
「…………ッ!?」
普段晒されない奥まった場所に生温かいものが伝う。それがチャラの舌だと解った瞬間、パニックに陥る。
「やぁッ……!何!?」
「何って……慣らさないと傷付いちゃうじゃないですか♪」
「だからって……!ふぁッ……!」
爆が抵抗を始める前にさっさと後ろへの愛撫を始める。舌で入り口を解し、緩んだ所から指を慎重に挿れていく。
「ひぁ……!い、やぁ!」
弄られてる場所から、今まで感じた事のない感覚が爆を襲う。築いたものが作り変えられるような、恐怖。
「あッぅんん!……や!現郎……!」
自分の口唇から外れた現郎の口唇は、首から鎖骨を伝って胸へ。突起に辿り着くと、執拗に其処を責めて、固くなると強めに歯で挟む。そうされると何故か電流みたいなのが背中を伝って。
「現郎ッ……そこ、やぁ……」
「爆君vこっちはどうですか?」
「――ッひぁぁぁぁ!」
ずぷん、と捻り込まれた指に身体が撥ねる。自分のかなり奥のほうで、チャラの指を感じた。
「あっ……ッぁ……いやッ!はぁんッ!」
異物を銜え込んでいる箇所に、其処をなぞるように舌が這う。
「うぁッ……!だ、め……ひぁ!」
綻んだ奥に指が増えた。圧迫感で朦朧としていた爆の意識が少し戻る。
「チャ……チャラ……苦し……!」
「これ位で根をあげちゃダメですよ、爆君。……それとも、だったらやめますか?」
――止める――
そうしたら、もう焼け爛れるような羞恥を感じる事も、訳の解らない感覚に悩まされる事も。
でも――
爆は視線を下ろし、自分の胸に縋りつくように愛撫をする現郎を見る。
「現郎……辛い、か……?」
「…………」
現郎は自分を見てくれたが応えは無く、やはり不自然な息遣いを繰り返すだけで。
見詰め合った後、現郎は首筋に噛付いた。
「痛……!」
「止めますか?爆君」
「…………」
首に付いた跡を舐る現郎の頭を撫でながら、爆は中途半端に昂ぶった身体で、でもしっかりとした口調で言った。
「――やる……」
「……そうですか……」
まぁ、爆が一度言った事を易々と撤回するはずがないと思っていたが。
「――だったら、覚悟はしておいてください。これから貴方も辛くなりますよ」
チャラの台詞を聞いた爆の喉がコクリと鳴る。
「ちょっと腰を上げてください」
言われるがままに、震える足に力を入れて膝を立たせる。四つん這いになる所を、上半身は現郎が抱き締めてくれていた。
「きぁ……!?」
明らかに性質の違うモノに、爆は喉に引っかかった悲鳴を漏らした。
何か、冷たくてぬるぬるした液が熱い内部へ注ぎ込まれる。
「や、ん……ああぁぁ!」
「現郎様が飲んだ催淫剤の原液ですよ。とろみがありますから潤滑剤にはもってこいですね」
「あっ……はぁ、ああぁぁぁん!やぁ!」
中にあるチャラの指が、滑りが良くなった事でさらに大胆になる。縦横無尽に掻き回す。
「あぁっ……あ……ふゃ!?」
唐突に、チャラの手が前に伸びる」
「……こんなにして……苦しいでしょう?一度出しましょうね」
「やぁぁぁぁぁ!」
勃ち上がっていた自身にチャラの長い指が絡まり、上下に優しく梳く。ちゅくちゅくと粘着質な厭らしい音が、前からも後ろからも聞こえて……
(――恥ずかしい……!)
自分がとんでもなく汚らわしく思えた。
冷めたいと願う心とは裏腹に、身体はどんどん熱を溜め込んで。身体の隅々まで行き渡ると、解放を求めて中で暴れる。
「あぅ……や……!で、出る……!」
「えぇ、そうして下さいv」
「あ―――……!」
きゅ、と先端に爪を立てられ耐え切れず爆は熱を解放させた。
「……はぁ……は……ん……」
半ば放心状態の爆を、現郎はしっかりと抱き締め、動物が怪我をした箇所を舐めるように何度も爆の頬を口唇を滑らす。
その感触に爆が綻ぶ。
チャラは少し胸が痛むのを奥へやり、爆の身体を寄せて背中を預かせる。
「現郎様、もう挿れても大丈夫ですよ。僕がたっぷり慣らしておきましたから」
僕が、の所を強調して言った。それに現郎が無言なのは、単に薬のせいだからか元より答える気がないのか。
まだ意識を飛ばしている爆の頬や額にキスをして、足を広げさせその中に自分の身を置いた。
「現郎……」
少し回復した爆が呟く。次いで自分の体制に目を剥いた。
「やっ……あ……」
「爆君。もうすぐ終わりますからね……」
「いやぁ……!」
チャラが後ろから膝に手を掛け、足をより広げる。全てを曝け出す格好に、置いてきたはずの羞恥がまた沸き起こる。
顔を背けて真っ赤に震える爆に現郎が圧し掛かった。赤く熟れた秘所に張り詰めた自身を当てる。
「ふぁ……ん……!」
未知の体験に爆の白い内腿がかたかたと戦く。爆の耳に愛撫をし、気を紛らわせて一気に奥まで突いた。
「あっ……ああぁぁぁぁ――――!!」
堪えられない嬌声が爆の口から迸った。
「あくぅ……!んんッ!はぁ!」
半ば無理やり捻じ込んで、ぎりぎりまで出してはまた挿れる。次に入った時にはさっきより奥にある気がする。
「あぁ!あ……!あン!ぁぅう!」
乱暴なくらいの律動に爆が引っ切り無しに喘ぐ。けれど、チャラがしっかり慣らしてくれてたせいか、入り口が裂ける事はなかったが。
「んぁ……!」
現郎だけを感じていた爆に、別の方からの快楽で、身体が反る。
「ふぁ……チャ、ラぁ……!」
「気持ちヨかったでしょう?こうすると……」
「ひぁぁッ!あぁ!あ――!」
今度は感じる所を的確に責めるチャラの愛撫に、それだけで達しそうになる。
「やめて……!やダぁ!ひんん!」
さっきも前と後ろ、同時に弄られてたけど。今はそれよりもっとスゴくて。
内壁を擦り上げる現郎が、とても熱くて蕩けそうで――痛くて苦しいだけだった後ろから、甘く痺れるものが込み上げる。
「爆――」
呼んだ声はチャラではなかった。
「爆――……」
双眸は相変わらず夢遊病者みたいに何処か彷徨っていたけど。それでも自分を求めているのだと解ると安心して身を預けられた。
「現郎様も限界のようですね。そろそろ終わりましょうか」
必要以上に冷静なチャラの声。チャラは現郎の動きに合わせるように爆の腰を揺さぶった。前への愛撫も止めずに。
「あっ!んっ!ひぁ…!は、あぁぁ!」
「……!」
締め付けがキツくなった内部に、現郎が顔を顰めた。
「うつ、ろ……んッ!……ああぁぁぁぁぁ!!」
爆が果てるのと同時に、現郎も絡みつく壁を強引に突いて、爆の奥に自分の熱を放った――
「は……。……?」
現郎は首を傾げた。ジュースを飲んだ後、咽帰るような熱気を身体に感じてそれから身体がだるくなって横になって――
爆の声がした。ちょっと正気になったら自分は爆を襲っていて――
そこに誰かが来たと思った瞬間、また意識が沈んだ。
そして……今……
「な……んで……?爆……」
酩酊したような表情の爆が全裸でいて、自分の欲望を受け入れていた。そういえばさっきの熱も嘘のそうに消えている。
「……正気になったか……?」
たどたどしく爆が言う。
「爆……俺は……?」
「それは僕から言いますよ」
よく見れば爆はチャラに凭れかかっていた。爆の身体を包むように巻かれた腕に現郎の視線が剣呑になる。
「……ですから、爆君。貴方はもう寝てください」
チャラの言葉にこっくり頷くと、爆はもう一度現郎を見て、目を綴じた。程なくして紡がれる規則正しい小さな寝息。
「……眠られましたようですね……」
「……そうか」
とぶっきらぼうに言うと、愛しく髪を梳くチャラから、爆を奪った。
「何するんですか。爆君が起きちゃうじゃないですか」
「るせ。……オメー、まさか一緒に爆を……」
「残念ですが、僕は挿れてませんよ。……まぁ、いろいろいい姿とか声とかはじっくり鑑賞させてもらいましたけど」
途端、一層険悪になった現郎にチャラが慌てる。
「うううう現郎様!爆君が起きてしまいますってば!」
「わーってる……今はやんねーよ」
今は……って……
「……オメーよぉ……自分は傍観者ですって決め込んでるけど……ちゃっかり爆狙ってんだろ……」
「おや。鋭いですね」
「否定しねぇんだな」
「ばれた事実はどうしようもないですから」
飄々と言う。……が。その表情が曇る。
「けど、まぁそれは貴方だけが知る事でしょうね」
「本人には言わねーのかよ」
「言っても、届きませんから」
にっこりと、またいつもの表情で。
「……僕は最初、薬を飲んだ爆君を攫う気でここへ来たんですけどね。飲んだのは貴方でした。
そこでちょっと考えたんですね、僕は。……薬で我を失った貴方が乱暴に爆君を犯せば、爆君は貴方から離れるに違いない、と。で、得意の口八丁でコトに及んだ、と」
……その短時間でよくそこまで陰険な計画が練られるもんだ、と現郎は渋い顔をした。
「結果は玉砕でした。何をされても爆君は貴方を受け入れていましたよ。……文字通りに。
だから、言わないんです。」
まだ、子供のクセに……ちゃんと人を好きになるという事を知っている。そしてちゃんと実行している。
もう触れないからと、出来うる限りの優しい視線で爆を見るチャラ。
ふいに、現郎が言った。
「でもよ、爆はオメーの事信用はしてると思うぜ」
「……?」
何をいきなり言い出すのか。
「さっき、オメーに言われただけで爆眠っただろ。ま、そういう事だ」
「……わざわざライバルを増やす気ですか?」
「別に。俺はオメーが爆を好きだろうがなんだろうが知ったこっちゃねーが、爆がオメーに抱くものはちゃんと尊重したいだけだ」
「早い話が僕はどうでもいいと」
「当たり前だ。ていうかお互い様だろが」
「ええ、勿論」
ちょっとギスギスした会話が終わると現郎は無表情で、チャラはいつもの微笑で見詰め合った。
おそらくこれが睨みあ合いだと気づくのは本人達だけだろう……
☆☆後日談☆☆
「ぅ……ん……」
薄ぼんやりと目を覚ます。と、熱を帯びている身体に額の冷たいタオルは心地よかった。
「目ェ覚ましたか」
「現郎……」
ベットに腰かけてすぐ近くにいた。……現郎を見ると、自然と昨日の事を思い出してしまって。
(〜〜〜ッッ!で、でも現郎は知らないんだから……)
逃げ出したい気持ちを必死に抑えた。もっとも今の身体では逃げるどころか立つ事すら叶わない。
「悪かったな……無理させちまって……」
「き、気にするな……」
やっとそれだけ言って、眠いと適当な理由を付けてベットに潜り込む。
(う〜〜〜しばらく現郎の顔見れない……////)
「なぁ……爆……」
昨夜の事を色濃く覚えている爆は毛布越しなのに耳で感じてしまう。
「俺よ、オメーに何したかさっぱり覚えてねーから……身体が回復したらヤってもいいか?」
「え!?え!ええぇぇぇぇ!?」
がばぁっと起き上がる。
「……嫌か?」
「あぅ……その、嫌って事じゃ……でも……」
自分でも何を言いたいのか。……二度とあんな事したくないような……もっと……したいような……
「嫌ですよねぇ。あんなに無理やりな挿入する現郎様とは」
「チャラ!?」
「お見舞いです♪スイートポテトパイですよ♪」
今度は何故居る!?と言われる前に応えてみた。パイの入った包みを机に置いて、現郎とは逆隣に爆の元へ赴く。
「その点僕とでしたら……昨日よりもっとイイことしてあげますよv」
そうしてつい、と官能的に爆の顎に沿って指を滑らすチャラ。爆はイイことはさて置いて、もう完璧に思い出してしまったので真っ赤っ赤だった。
「おーい……俺の前であんま勝手な事言ってんじゃねーぞ」
そう言う現郎からはどんな鈍感な人にも感じられる程の殺気を放っていた。
「う〜ん、これでは現郎様の目を盗んで、というのは難しそうですね。ここはやはり昨日みたいに3人で……」
「それだけは絶対に嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
爆はきっぱりはっきり拒絶した。
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