ああ、災難だった。いきなり雨に降られるとは。
しかも憎い事に自分が家に着くと同時にぴたりと止んでしまった。
ともあれ、早くシャワーを浴びたい。風邪を引くとか引かないとか以前に、べっとりとシャツが張り付いて気持ち悪い。
と、慌しく風呂場に入って、シャワーを浴び、気分もさっぱりした所で爆は臍を噛む。
着替えを持ってくるのを忘れてしまった。
仕方ないから、タオルを巻きつけたまま部屋まで行こうとしたが、ふと目に付いた。
雹の着るガウン。
事情は後から説明するとして、ちょっと貸してもらおう。折角熱いシャワーを浴びたというのに、また冷えてきた。
「……ぶかい……」
袖からほんのちょっとしか見えない指と、雹が着た時寄り大分下にある丈に、爆は憮然を呟いた。
雹は結構着やせするタイプのようだ。肩幅もぶかぶかで。
自分とそんなに変わらないような気がしてたのに……
「………………」
何だか色々思い出してしまった爆は、違う意味で熱くなってしまった。
そうして浴室を後にし、
「爆く――――――ん!!」
「どぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
雹が抱きつくのはいつもの事だが、不意をつかれたので爆は倒れそうになった。まぁ、雹ががっちり抱えているので、そんな事にはならないが。
「雹!いきなりはやめろと……!」
「爆くん、ガウン着てる〜〜vvvv」
「ああ、濡れたけど着替え持ってくるの忘れて……って、ひょ、雹!!?」
ごそごそと雹の手が下から潜り込み、熱を煽るような動きをする。
「ちょっ……やぁ……ッ!」
「爆くん……感じるの早いね。僕のこと考えててくれてたの?」
「!!!違ッ………!」
爆の反応を見て、そうなんだ、と嬉しそうに笑う。
「ほら爆くん、壁に手、ついて……」
「えッ……ほ、本気でやる気か!?」
ガウンの襟から覗く爆の白い首に口付けながら、雹は当然、と言った。
「ガウン着てる爆くん可愛くて、我慢出来ないからここでエッチしよv」
「こ……ここで!?」
こんな風呂場をすぐ出た廊下で!?
「うん。何だかいけない事してるみたいで楽しいじゃないvv」
「ば、ばかッ!……あッ……!」
胸辺りを弄っていた手が、つい、と下に下りて自身に触れる。
「ふぁ……ッ、あぁ……!」
「……下、履いてなかったんだね……vv」
「やぅ……ッ!あッ、あぁッ!」
動きを早くして、イキそうになると緩めて。
そうしておさまる頃を見計らって、また昂ぶらせる。
「雹……や…だ……」
意地悪な愛撫に、爆は壁に爪を立てた。
と、ガウンの裾を捲り、爆の秘部に指を挿れ込む。
「あぁッ!」
「……君ので指がたっぷり濡れてるから……すんなり入るよv」
「うる……さ……ぁんッ!」
後ろを解す指と合わせ、前を弄る。
無垢な身体は快楽を全て受け取り、吐き出すのを待っている。
「……んッ……んんッ……」
くっと口唇噛み締めて、鼻にかかった甘い吐息が零れる。
雹は爆の首を舐りながら、至近距離でそれを聴いた。
「ねぇ……挿っていい……?」
「あッ……う、ん………」
こっくりと、今にも崩れ落ちそうな爆は応える。
前と後ろを弄っていた手を外し、腰に添えて一気に奥まで付いた。
「ぁ……あ――――……!」
爆の口から堪え切れなかった声が漏れる。
「……あふ……ん……」
ガウンの上を腰まで下げ、露にした震える背中に、愛しそうに口付ける。
「可愛いー……」
掠れを自覚した声でそう呟き、律動し始めた。
「んぁッ!ひッ………!!」
焦らされたせいか、いつもより大きく感じてるような気がする。
それのせいで羞恥も薄れて。爆は感じたままに嬌声を上げた。手が支える為に使われていて、口を塞げなかったというのもあるが。
それがちょっとまずかったのかもしれない。
その媚態に雹はちょっとキレた。爪の先までゾクゾクする。
「あっ………?」
ふと雹の動きが止まった。
折角快楽に酔いしれていたのに。
「ひょ……う……?」
「爆くん……v」
雹の声がいつもより濡れている。
聴くだけで、熱い。
「君から動いてごらん」
「…………」
爆は潤んでいた目をぱちぱち瞬きして、そうして首筋まで真っ赤に染め上げた。
最近、自分との行為のせいで艶やかさも滲ませて来た爆だが、こういう所は変わらない。
「出来……ない……ッ!」
ふるふると頭を振り、訴える。が、雹は撤回する気はさらさらない。
「簡単だよ、こうやってさ……」
「ひぁ……ッ!」
支えていた腰の方を動かし、爆の内部を擦る。
「あッ……あぁ、んッ!!は……」
……いつもと違うくて。
中に雹がいるって、とてもリアルに解る。
「はぁ……あ……ぁ……」
「いいコだね……爆くん……」
「ンく!」
雹の手が胸の突起を引っかいて、もう片方が再び前に触れて快楽を引き出す。
……あれ?中の雹は動いてるのに……
じゃぁ、自分が動いてるんだろうか……?
解らない。気持ちイイから。
「ふぁんッ……あはっ……あんん!……」
「こんなにエッチな顔しちゃってv可愛いなぁ……」
ぐ、と身を乗り出して雹が爆の顔を覗く。
そうすると、必然的に爆の中の雹の位置も深くなるから。
「あッ……く……ン!もっ……と…ぉ…!」
「ん。いいよv」
「あぁぁッ!」
自分でするよりもっと激しくて、奥まで突いてくる。
「あ……ひょ……う……熱…いッ!はあぁんッ!」
飛び上がるように、雹からの快楽に過敏に反応する爆。
「爆くん、イキそうだね……僕…も……ッ!」
「あぁぁぁ―――――――ッ!」
弾けたのと同時に、熱で満たされた。
爆は終わったあと、再びシャワーを浴びなおした。
(あう……恥ずかしい……/////)
立っていると、中に吐き出された雹の白濁が零れる。それがまた鮮明に爆にさっきの事を思い出させた。
まさか自分からあんな事をしてしまうなんて。
全然慣れてない、と思っていたが、身体は順調に対応していたらしい。……それがいい事かどうかはさておき。
(まぁ、今日はもうしたから、久しぶりにゆっくり寝れるな……)
それがせめてもの救いか、と爆は火照る体を持て余した。
が!!
「何でまたこうなるんだぁぁぁぁぁぁ!」
爆はベットで雹に押し倒されていた。
「ん〜?何が〜?」
と、ボタンを外しつつ、肌の上に所有印を残して行く。
「昼間、したの……に……ん、あッ……!」
身体の上を這う、嬲るような舌の動きに爆は戦く。
「あれは爆くんから誘ったから、ノー・カウントv」
「そ……んな……!!」
「それに、こんなイキ足りなさそうな表情でさ……大丈夫。僕が満足させてアゲルからねv」
「やぁ……ッ!」
と、拒んだのを最後に、爆の口からは甘い声しか出なくなった。
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