キケンな運転




「……ヤロー……姑息な手を使いやがって」
 激ご推薦の中華料理店から出て、現郎は開口一番、かなり不機嫌さが伺える。
「へっへー♪まぁ、世の中やったモン勝ちってなv」
 それとはとても対照に激はご機嫌だった。頬も僅かに紅潮している。
 そんな激を見て、二人の真ん中に居る爆が溜息をつく。
 帰りの運転はどっちがするか、と食事中、この二人は言い争っていたのだ。
 互いに譲らない平行線のなか、電話をかける用事があって現郎が席を離れた隙に、激は飲酒するという強硬手段に出たのだった。
 これが二人だけならば、激を置いて帰るという反撃に出れるのだが、爆が居るからそうは出来ない。
 運転手は現郎に決まったのである。

 いつの間にか、子供は寝る時間になっていたのか、街はイルミネーションに飾られ、夜の顔へと変貌していた。
「なぁ〜、爆〜vvv」
「……何だ」
 酒が回ったのか、猫みたく甘えてくる激。激は絡み酒だ。
 あまり広いとも言えない車内で、激は爆を抱き締め、耳に唇をくっ付けて囁く。
「エッチしよ〜v」
 そして爆の服を脱がしにかかった。
 勿論、爆が受け入れる訳も無い。
「ばッ、馬鹿か!!こんな所で………ッ!!」
 ある意味室内かもしれないが、窓があるのだ外から見えるかもしれないのだ。
 爆がわたわたと引き剥がそうとすると、激が剥れた。
「なんでぇ〜、この前車でヤろって言ったら”貴様、運転してるだろうが”って言ったじゃんよ。
 今してねーぞ」
「そうじゃないだろ―――――!」
 爆は必死に抵抗した。
「おーい、あんま暴れんな。事故るぞ」
 現郎はとても呑気に言う。
「だ……って…………あッ!」
 身体を弄っていた手が突起を撫でて、爆は短い嬌声を上げる。
「やだ………んッ!ふぁ……ッ!」
 徐々に熱を孕んできた身体に、今度は舌も使って愛撫を落とす。
「やぁぁッ!」
 結構強めに胸の突起を噛まれた。
 爆の意識がそちらに向いた隙に、最後の一枚を脱がす。
「ひ……ん………ッ」
「悪ぃ、強く噛みすぎたな」
「やぁ……んん」
 歯跡がついてしまった箇所を、動物が労わるみたいに優しく舐る。
 そうすると、もどかしいようなくすぐったいような感触が爆を悩ませる。
「ん……ぁ……ひぁッ!?」
 緩い愛撫に身を任せ、心地よさに微眠みかけてた爆は、後ろからの強い感覚に戦く。
「あッ、あ……ひあぁッ!」
 ぐぷ、と内部の指が増やされる。
 が、いつもそれより質量のあるものを受け入れている部分は易々と飲み込んだ。
「身体舐めただけで後ろこんなにして……爆はエッチだなv」
「やぁッ……ン、あッ!あくぅ……!」
 体勢の安定さを求め、爆は激にしがみつく。激も爆を抱き寄せ、座席から自分の膝へと移動させた。
「は……ぁ……ッ!あ、あぁッ!ン!」
「……イク?」
 少しかき混ぜるだけで飛び上がるくらいの敏感さ。限界が近いのだと、見てるだけで伺える。
ぴちゃり、と頬を舐めるとそれだけでも感じてしまうのか、爆が撥ねる。
「ふぁ………」
 爆は綴じていた目を開けて。
 移動する風景に、ここが車内であるという事を思い出した。
 外から見えるかもしれない。いや、それ以前に現郎が居る。
「や……やだぁ……ッ!」
 身体中真っ赤に染め上げて、爆は激から離れようと手を突っぱねる。
 しかしそれは簡単に封じられて。
「恥ずかしい?だったらンな事考えないようにしてやっから」
 激は妖艶な、爆から見たら物騒でしかない笑顔を浮かべた。
 爆は嫌な予感を感じた。それは現実になった。
「ちょ……あ……」
 指が抜かれ、ヒクヒクと疼く箇所に激は自身を宛がう。
「や、やだッ!……んぅッ!」
 抵抗する爆の口を、半ば強引に口唇で塞いだ。
 それでも何か言ってたみたいだが、舌が口へ入ると同時にピタリと止む。
 片手で爆の上半身を制し、逃げるように浮いた腰を下げさせて自身を埋めていく。
「んんッ!ん―――ッ!」
 動いているのは自分の身体の方だから、挿れられるよりずっと激が入っていくのが解る。
「全部入っちった……v確かめてみっか?」
「いやぁ……!」 
 手を結合部へ持っていかれそうになり、爆は溢れた涙を散らしながら首を振る。
「あんまり苛めんなよ」 
 微かな嗚咽が聞こえ、現郎が窘める。
「いーじゃん、いぢわるすんのな愛情の裏返しだからさ。俺の場合」
 といけしゃあしゃあと言い放ち、涙が伝う頬を舐めた。
 それだけで、爆は震える。
「んっ………」
「……感じてる?」
 激がそう訊ねると、爆は殊更顔を赤くし目を逸らす。
「感じてるよな、こんなに可愛い表情だし……
 けど、ゴメンな。さすがに動くわけにはいなかねぇから
 家まで着くまで我慢してねv」
「抜……け……バカ………」
「気持ちいーからヤです」
 にっこりと笑いながら激は言った。
「……………っ」
 激は大概の事はきいてくれるが、このテの事で一度いった事を撤回した例がなかった。
「…………」
 しかしこれ以上何もしないというのなら、どうって事ない。
 爆が強がりも含めてそう思った。
 が。
「ぁ………ッ!?」
 熱を孕んで快楽を欲する身体。
 爆の意思に反して熟れた内壁が激をさらに深くまで誘うような動きをする。
 自覚してしまったらそれまでだった。
 堪える術もない。
 爆は解放寸前まで昂ぶってしまった。
「……っ……ふ…………」
 少しでも気が紛らわせれれば、と爆は激のシャツを強く掴んだ。
「どしたの?」
 激にとっては自分の胸に顔を沈める仕草など、煽っているとしか思えない。
 帰るまで、と思ってたのに。
「ひぁッ!?あぁぁッ!」
 ほんの僅かに爆の腰を揺さぶる。しかし、今の爆にとっては十分な刺激で。
「い、ぁ……ああぁぁぁぁッ―――!!」
「っ…………!」
 爆は二人の間を汚して、激は爆の中に放った。


 当然、車から降りて爆が歩けるはずもなく。
 爆は激に寄りかかりながら歩いている。「抱っこしてやろうか」という激の申し出は却下した。
「全く、最悪だ。貴様……中にも出して……」
「だってオメーが締め付けっからグフ」
 余計な事を言った激は爆からパンチを貰った。
「おーい、俺から離れていいのかー?」
 頬を摩りながら、かろうじて立っている爆に言う。
「いらん。現郎に運んでもら……?」
 ひょい、と抱え上げられた。そうしたのは現郎。
「現……?ん……!」
 かと思えば口付けされて……そして、気づいた。
 現郎の双眸が、やけに妖しい事に。
 爆は何処となく嫌な予感が……というかあからさまにした。
「う、現郎………」
「……すぐ後ろであんな顔見せられて声聞かされて……俺が冷静でいられると思うか?」
 爆は思わず首を横に振ってしまった。
 普段を見ていると、現郎は激に比べ、さっぱりしているというか、淡白というか。
 しかし実はベットの中でしつこいのは現郎の方だ。
 足がすでにガクガクしている状態で、現郎としたら……
 爆はざっと青くなった。
「あ、あっ……と、えーと……」
 爆はどうにかいい言い訳が無いものか、と必死に頭を巡らせた。
「安心しろ。1日立てなくなるくらいで許してやるから」
 許してない。それ、絶対許してない。
「えー、うっちゃん横から掻っ攫うなんてずりーよー。
 あ、そうだv久々に3人一緒に」
「俺からだってのならいい」
 なんて無責任な事ばかり言う男二人を両側に携えた爆。
 まさに生贄の子羊状態であった。

<後日談>
 結局爆は3日ほど寝込んだそうですv(ヤりすぎや……)




あー!やっとこさ出来た!!天神さんリク激爆!!
……すんません、リクの順番違いますね。まぁ、炎爆も現在執筆中……(汗汗)
何だか必要以上に現がでしゃばったものになってしまいました(汗汗汗)
では捧げさせてもやいやす!!