a gentie rule




 この学園は全寮制。
 2人で部屋を共用する制度だ。
 俺の同居人の爆は、可愛い。
 とても可愛い。
 凄く可愛い。
 めちゃくちゃ可愛い。
 と、言うか。

 めちゃくちゃに……してしまった………☆


 爆はこの学園にしては珍しい編入生で、運悪くその時には同じ学年の生徒は偶数だったから、爆が入れる部屋はなかった。
 一方、俺は一人で部屋を占領していたから、そんな訳で異例とも言える異学年の同室、となった訳だ。
 知らない学園に、同居人はしかも上級生。
 爆にしてみれば、あまりいい環境ではなかっただろう。
 それでも懸命に声をかけ続けて、最初、必要最小限しか喋らなかった爆もだんだんと口数が増えていった。
 笑いかけてくれる事すらも。
 その時だったか、あるいは自覚がなかっただけで最初からだったか。
 俺は単に上級生の義務、というか生徒会長という肩書きの責任感で、生活に慣れない編入生をリラックスさせてやろう、とだけ思っていた。
 が。
 今は……他ならない”爆”の為に。
 とてもごく自然な流れで、それこそ自分ですら気づかないくらい、ゆっくり、静かに爆に想いを寄せるようになっていた。
 後は、そう、爆が怯えてしまわないように、自分が爆を好きになった時より優しく気持ちを伝えようと思っていた。
 思って、いたのに………
 ……あれはサークルの新入生歓迎コンパ。俺はそういうのには興味はないが、付き合いというものがある。
 誰かが話しかけるのに適当な相槌を打ちながら、早く爆に会いたい、などと考えていて。
 手に取ったジュースが、こっそり持ち込んだジンで作られた”オレンジ・ブロッサム”だったとは全く気づかず。
 まぁ、最もオレンジ・ブロッサムというカクテルは、禁酒法時代役人の目が光る中でジュースであると見せかける為に出来たものだから……
 などと説明している場合ではない。
 ともかく、それで理性の箍がすっぱり無くなった俺は、そのまま自室へ帰った後……
 ……実はさっぱり記憶にはないんだが……(最悪)
 朝、飲酒による弊害の頭痛で目が覚めれば、すぐ横にはぐったりとしてまだ顔の赤い爆……当然裸。
 その時の俺が感じた衝撃は……表記し難いものだった。
 冤罪で死刑を言い渡された心境、といってもまだ生ぬるいような気がする。
 ガラガラと崩れる音が耳の横でして、目の前が真っ暗になった。
 ……こんな事になってしまった後で、今更好きと言えるか……?
 いや、それ以前に犯罪だ。
 ”部屋を出て行く”と言われても仕方ない事だった。
 断る権利もない俺は、そう言われたら従うつもりだった。
 なのに。
「炎。今日見たい番組あるから、先風呂に入っていいか?」
「何を見るんだ」
「”FBI極秘特別捜査ファイル〜事件の真相を追え〜”」
 ご丁寧にテレビ欄を指で指して言う。
「好きだな、そういうの」
「色々と為になるからな」
 何時、何処でどのように役に立つんだ、爆……(汗)
 そこはかとない疑問や不安を抱きつつ、俺は大して見たいもののないから承諾する。
 爆は嬉々として風呂へ行った。
 ……爆の態度は、以前と変わらない。
 相変わらず、可愛い。笑いかけてくれるし、貰ったお菓子も分けてくれる。
 別に14行上のような修羅場にはなって欲しくないが、それでも……うーむ……(汗汗汗)
 それとも……
 爆は強い子だから。精神的には、あるいは俺以上に。
 ……もしかしたら、今まで世話焼いてくれた恩とか感じて、本当は憎んでるのに抑え込んでいる、なんて……
 ああああああああ!!!何であの時ジュース飲もうとしたんだ、俺の馬鹿!!!
「……!!炎!!!」
「おわぁッ!??」
 後悔の渦に巻き込まれてた俺は、爆が極至近距離に居るのに全く気がつかなかった。
「さっきから風呂出たぞって何度も言ってるのに」
「あぁ、すま……」
 ……俺のセリフは途中で途切れた。
 いや、何でって……
 風呂上りの爆は身体が上気していて艶かしく、なおかつ拭き切れてない髪からはポタポタと水滴が零れ、それは鎖骨を伝って胸元へと滑る。
 さらに。
 俺はベットに腰掛けて、いくら爆が小さいとは言えども座った姿勢の俺に視線を合わせるには、ちょっと屈まなくてはならない訳で。
 ……前述した、水滴を弾く胸が……目の前………
 慌てて視線を伏せると、今度はまだズボンを履いてない華奢でしなやかな腿に一点集中。
 ……危うくゴクリ、と喉が鳴るところだった。
 ……ダメだ。俺は……もう……
 俺が爆を好きな気持ちって、もっとこう優しくて慈しむようなものだと思っていたのに……こんな……
 やはり所詮は俺も男か……。自己嫌悪。
 と。
 パチン!
「…………?」
 両方の頬を挟むように叩かれた。
 爆に。
「……どうかしたか?」
「………………」
 俺は否定する事が出来なかった。それが、肯定になってしまうとしても。
「……ちょっと目を逸らすと、何だか沈んでるし……」
 ……まさか”原因”に話すわけにはいくまい………
 俺は黙秘権を決め込んだ。
 そんな俺に、爆は膝の上にのっかかり、真っ直ぐ目を見つめ、
「……また、セックスするか?」
 ………………………
「ッ、なぁぁぁぁッッッ!!!???」
「………ッ、耳ともで大きな声出すな」
「オオオオオオオマエ”セックス”だなんて単語、何処で………!!」
「そんなもん、今日日の10歳は知ってるぞ」
 さも当然の如く言う爆。
 お……恐るべし!!21世紀の小学4年生!!(自分で言ってて謎)
「しないのか?」
 混乱の真っ只中の俺に、爆は答えを促す。
 いや、しないのかと訊かれたらもちろんしたいに決まってるってそうじゃないだろ!!
「……いいのか?」
 ってどうして俺はこんな事を言っている!!
「……だってこれは好きなヤツにする事なんだろ?」
「え、あ、い、いや……その……」
 言葉になってない。
「……違うのか?」
「……………」
 違わ……
 ……今、頭のどこかで何かがキレた。
「違わ……ない」
 俺は爆の頭を抱え、キスをした。
 爆は口唇も小さくて、全部塞いでしまえた。
「ん……ふ、ぅ………」
 何度も何度も、啄ばむようなキスをして、口唇が解れてきたら舌を入れる。
「……ん、ぁ……あ………」
 奥にあった小さな舌を掬い上げ、自分の方へ引き寄せては軽く噛んだり絡ませたり。
 爆が俺に体重を預けてくるのがはっきり解った。
「は…………」
 解放したら、爆はもうくったりとしていて。
 こんなのでこれからが耐えられるのかと、危惧を抱いたりもするが……もう、止まりそうにもなかった。
「ん、……ぅ………」
 力の抜けた爆をベットに仰向けに寝かして。
 服を脱がす傍ら、味わうように頬から下へ向かって舐る。
「ひぁッ!?あ……!」
 ぷくんとした胸の突起を舌が捕らえると、爆の声が撥ねる。
 どうやら弱い所みたいだ。俺は執拗にそこだけを舐った。
「あッ……ん、あ……はぁッ……!」
 爆の手が、縋るようにシーツを握った。
 怯えるような声が快楽だけになったのを見計らい、下にも手を伸ばす。
「い、ぁ……!」
 ふるっ、と爆が震える。
「……大丈夫か?」
 そっと、問いかけてみる。
 爆は横に向けた顔を、俺の方に合わせ、
「……平、気……だ………」
 涙の溜まった双眸で見る。
 ……そんな事言うと、爆。
 俺は図に乗るぞ……?
「もう少し……我慢してくれな……」
 まだ丸みを帯びている頬に軽くキス。
「んっ……」
 腰を持ち上げ、その手で爆の奥を探し当てる。
 そうして、緩々と熱を帯び初めた幼い爆を口に含む。
「ひッ、あ!やぁッ!ンンン!」
 直ぐ横にある爆の両腿が、ビクビクとひきつる。
 知らない事が多い身体には、キツイ刺激だろう。
「あくッ……!ああぁぁぁッ!」
 前の愛撫で解れてきた後ろに、試すように指を入れる。
 キツいだろう、とは思っていたがそれほどでもなく、あっさりと指は飲み込まれた。
 これは……結構大丈夫、か………?
 指を全部埋め込んでしまうと、行為を真似するように出し入れさせてみた。
「あ!あぁッ!……え、ん……炎……!」
 勝手に口をついてくる嬌声のせいで、思うように動かない口で俺の名前を呼ぶ。
 ……だから、そういう事をするなって!
 かなりわがままな事を思って、自分が昂ぶった分、爆への愛撫は激しくなる。
 軽く歯を立て、後ろの指を増やして更に奥へ。
「いぁッ!あ―――――ッ!」
 甲高い声を発して、爆は果てた。
 爆の放ったものを全て飲み下し、身を起こす。
「は……ぅ………」
 爆は掴んでいたシーツも離し、虚ろな、熱で濡れた瞳を彷徨わせていた。
 未だ身体が少し震えているのは、余韻と、まだ入れられたままの指のせいだ。合わさった膝がカタカタと震える。
 溢れた涙を口唇で掬った。
「あ……ふ、うぅ…ッ……」
 内部を弄られる感触にぎゅ、と目を瞑り耐える爆。
 幼いながらも、必死に俺を受け入れようとしてくれているのが、嬉しかった。
 顔中にキスを降らし、中の指を引き抜くと、足を広げさせ身体を割り込ませた。
「爆………」
 安心させつる為に、最後に口唇にキスをして、なるべく爆に負担がかからないように、ゆっくりと挿れていった。
「あ……は……あぁぁぁぁッ!」
「ッ…………」
 さすがに……キツい、か……
「あ、あぁ……ぁ……!」
 それでも全部収め、律動してみる。
「ふぁ……あぁ!え、ん……!」
「痛いか?」
 爆は首を横に振る。
「痛……く、ない……けど、……苦し……!」
 確かに、膝が胸につくまで腰を凭れたら苦しいかもしれん。
 爆を抱き起こして、向き合うような姿勢にする。
「ひぁッ!んん!」
 ……重力と体重のせいで、爆の中にさらに俺が入る……って、そんないい声だされたら……
「あッ!?あぁッ!やぁぁッ!」
 ……いよいよ理性の切れた俺は、爆の事も考えず激しく上下に揺さぶった。そう、快楽に鳴く爆が見たいだけに。
 俺が、与える快楽で……
「や……ぁ……!……ッの前と、違……!」
 俺の首に爆はしがみ付いてる。だから、爆が何か言えば直接耳に吹き込まれる事になる。
 ……頼むから、これ以上欲望を煽るのはやめてくれ、爆……(いや、俺がそうさせてるんです。解ってます/泣)
「……この前と、どう違うんだ?」
 ”この前”というと、例の俺が酔って爆を抱いた時の事だな。
 ……爆のこの顔、見過ごしたのか……
「んんッ……!ん、ふぁ…!」
「爆?」
 この状態で、答えれるはずもないのに、答えを要求する。……鬼畜か?俺は。
「あ……え、んが………!」
 丁度いい所に当たったのか、爆が一層淫らに表情を濡らす。
「……俺が……?」
 そこばかり攻める。ますます爆は答えれない。
「炎の、が……ぁ!……奥……あぁッ!」
 なるほど、前より深く入ってる、という事か。
 本当はそこまで言わせてみたい気もするが、さすがに可哀相だ。
「んくッ……んんん!」
 爆の身体が熱くなって引きつる。限界らしい。
「ふ、ぁ……ア!あぁッ、あ――――!」
 爆は殊更俺にしがみ付き、達した。そして、俺も。
「…………ッ!」
「!っあ……は………」
 爆の気だるい吐息が俺にかかった。

 あ――――――…………
 俺ってヤツは……
 爆に誘われただけで理性切れさすんじゃない!!って無理も無い気がしないでもないが!
 しかも中に出してしまった……
 だから爆はまた風呂に入る羽目になった。腰から下の力が全く入らない爆の為、俺も同伴して。
 ……どうかまた妙な気起こしませんように……
 柔らかいスポンジに泡を纏わりつかせ、それで撫でるように身体を洗うと、気持ちがいいのか爆がはんなりと微笑む。
 う……今の表情はちょっとヤバかった……
 あ、それはそうと。
「爆、”FBI特別捜査ファイル”見逃したな……」
「あぁ、別に気にするな」
 爆は事も無げに言う。
「ちゃんとビデオに撮ったから」
 …………………け、計画的?
「……そうか………」
 ……もしかして、俺が爆を食ったとばかり思っていたのだが……

 食われたのは俺の方なのか?(汗)





はーい、炎爆でーす!って何でこんなに炎がヘタレで爆が小悪魔ちゃんなのさ!!
どっちかっつーと、この炎の性格は原作版ですね。自分の欲望には脆い所が。
……それはそうと、なんで爆がこんな……
まぁ、オイラはこんな爆も好きでが(オマエがかい)
ではどうぞ天神さん、見納めください!